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科目名 代謝生化学 
担当者氏名

氏田 稔

全開講対象学科 農学部応用生物化学科
年次 2年次 
クラス C・D 
講義学期 後期 
単位数
必選区分  
学期・曜日・時限  
部門 専門教育部門-専門教育科目群選択 
備考  



準備学習・事後学習
・日頃から新聞、雑誌、各種メディアなどで生命科学に関する最新の情報を随時チェックし、生命科学全般に対して広く関心を持つようにすること。
・毎回の授業内容をテキストや参考文献などで調べ、自分なりにまとめること(授業時間に見合うだけの時間を必要とする)。
・次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味などを理解しておくこと(授業時間に見合うだけの時間を必要とする)。
・疑問点に対する教員からの解説は口頭やメールなど様々な方法で行われる。
・疑問点に対する教員からの解説に関しても復習すること。
・授業時間の2倍の自己学習を必要とする。 
履修上の留意
 1・2年次の必修科目である生物化学1・2と1年次の選択科目である細胞生物学の内容を充分に理解していなければならない。また、有機化学の知識も必要である。代謝生化学の学習は3年次の動物生命科学やタンパク質・遺伝子工学の修得にとって大変重要である。 
授業の概要と目的
 異化(分解)が食物中あるいは体内の成分を酵素反応により分解し、蓄えられていたエネルギーを生体内の化学反応に利用できる形に変換する作用であることを学習する。この時放出される化学エネルギーはATPに移され、同化(生合成)、能動輸送、収縮などの様々な活動に利用される。講義では2種類のテキストを使用する。本科目で学ぶ内容は農学を含む生命科学の基礎・基本であり、応用生物化学科のカリキュラムを履修する上で不可欠な知識の習得を目的とする。農業高校教員としての経験を活かし、食品生化学に関する実践的教育を行う。本科目はDP2、CP2に該当する科目である。
(科目ナンバリングコード:AB21208) 
サブタイトル
 生体内の物質は絶えず合成され、かつ、分解されており、動的定常状態にある。この生合成と分解(代謝)は酵素によって行われる生命活動の基本である。また、酵素の合成は遺伝子によって支配されている。 
到達目標
・代謝とはどのような現象であるのかを生物化学の用語を用いて説明することができる。
・異化反応と同化反応がどのように制御されているのかを理解する。
・遺伝子操作の原理と実際について理解する。
・遺伝子発現と情報伝達の仕組みについて理解する。
・生命とは何かを理解する
・指定した問題集に対する正答率が60%以上である。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. ゲノムと遺伝子研究法   生物の遺伝情報全体をゲノムとよぶ。トランスジェニックマウスやノックアウトマウスは代謝研究に使用される。ES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(人工多能性幹細胞)は再生医療においても重要である。体細胞クローン動物には注目すべき様々な問題がある。ゲノム編集についても学ぶ。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
2. 遺伝子操作の原理と実際   遺伝子操作(組換えDNA実験)では、制限酵素、リガーゼ、クローニングベクター、発現ベクター、コンピテントセルなどが使われる。ゲノムクローニングとcDNAクローニングは原理も目的も異なっている。
 生体試料からDNAやRNAを調製し、PCRなどを行い、最終的に遺伝子をクローニングする。続いて塩基配列を決定する。組換えタンパク質(融合タンパク質、キメラタンパク質)の作製も重要な手法である。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
3. 細胞および細胞小器官の構造と機能   代謝は主に細胞で行われる。原核細胞と真核細胞は大きさ、構造、細胞小器官、代謝、発現様式、ゲノム構造、細胞の機能、細胞分裂、存在様式などの点で異なっている。また、細胞外マトリックスは多細胞生物に特有の構造体である。
 真核細胞には核、ミトコンドリア、葉緑体、リソソーム、小胞体、ゴルジ体などの細胞小器官があり、それぞれ独自の機能を持っている。また、細胞培養法、細胞破砕法、各種遠心分離法による細胞小器官の分別法などについて学ぶ。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
4. 代謝とエネルギー   生体内における代謝は同化(生合成)と異化(分解)に大別される。ATPは高エネルギー化合物であり、加水分解により大きなエネルギーを放出する。エネルギー代謝の中心はATP-ADP系である。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
5. 解糖経路   解糖経路はグルコースがピルビン酸または乳酸まで嫌気的に分解される代謝経路であり、ほとんどの生物に存在する根幹的なエネルギー獲得系である。解糖は細胞質ゾルで行われる。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
6. 解糖経路の調節と発酵   解糖経路は3つの不可逆反応を触媒している酵素により調節されており、糖新生経路とは別の経路とみなされる。アルコール発酵、乳酸発酵、グリセロール発酵なども解糖経路と関係している。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
7. グリコーゲン代謝の調節   グリコーゲン代謝はホルモンによって調節され、Gタンパク質共役型受容体が関与している。cAMPが第二メッセンジャーとなり、酵素のリン酸化と脱リン酸によって情報が伝達される。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
8. ペントースリン酸経路   ペントースリン酸経路には生合成反応に必須の還元力であるNADPHや核酸の生合成に必要なリボース 5-リン酸などを供給する役割がある。本経路の酵素系はすべて細胞質ゾルに存在する。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
9. クエン酸サイクル(トリカルボン酸回路、TCA回路)   クエン酸サイクルは糖、脂肪酸、多くのアミノ酸などの炭素骨格を完全酸化するための経路であると同時に、同化における重要な出発点にもなる。本回路の酵素系は真核生物ではミトコンドリアに存在する。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
10. 電子伝達系   解糖経路やクエン酸サイクルにおいて生じた水素が一連の酸化還元酵素複合体や電子伝達体で構成される電子伝達系(呼吸鎖)を経て酸素を還元し、水となる。このとき生じるエネルギーを利用してATPを合成する。真核生物では呼吸鎖はミトコンドリア内膜に存在する。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
11. 基質レベルのリン酸化と酸化的リン酸化   基質レベルのリン酸化は基質がまずリン酸化またはチオエステル化され、次いでこれらがATPを生成する反応であり、酸化的リン酸化は電子伝達に共役しておこるATPの生成反応である。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
12. 酸化的リン酸化のメカニズム   電子伝達系の酸化還元反応によって遊離するエネルギーを利用してATP合成酵素がADPと無機リン酸からATPを合成する反応が酸化的リン酸化であり、膜内外のプロトンの濃度勾配を利用する。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
13. 脂質代謝   動植物は脂質を不溶性のトリアシルグリセロールの形で大量に貯蔵し、エネルギーが必要になると速やかに分解してエネルギーを取り出す。脂肪酸はアセチル-CoAに分解され、最終的に多量のATPが合成される。また、脂質の生合成についても学ぶ。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
14. アミノ酸代謝   アミノ酸の分解反応にはアミノ基転移反応、脱アミノ反応、脱炭酸反応などがあり、ピリドキサールリン酸は補酵素としてアミノ酸代謝に関与する。尿素回路はアンモニアから尿素を生成する経路である。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
15. ヌクレオチド代謝   プリン塩基(アデニンとグアニン)は分解されて尿酸となる。ヒトなどでは尿酸を分解する酵素がなく、尿酸がプリン塩基の最終代謝産物である。また、尿酸は痛風の原因となる。必要に応じて疑問点に対する解説も行う。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 「Essential 細胞生物学 原書第4版」    南江堂 
2. 「ヴォ―ト基礎生化学 第5版」    東京化学同人 
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 「生化学辞典 第4版」    東京化学同人 
2. 「細胞の分子生物学 第6版」    ニュートンプレス 
3. 「分子細胞生物学 第7版」    東京化学同人 
4. 「レーニンジャーの新生化学 上・下 第6版」    廣川書店 
5. 「生命科学 改訂第3版」    羊土社 
授業方法の形式
講義 
成績評価方法及び評価基準
 定期試験の結果(100%)によって評価する。特別な事情を除き、欠席・遅刻・早退は厳禁であり、減点となる。皆勤は当然のことであり、特に加点はしない。 
受講生へのメッセージ
 わからないことがあれば質問し、あるいは自分で調べるなど、積極的に講義に参加することを期待します。生物化学の知識は現代社会の常識となりつつあります。講義を通して、科学的思考力や知的好奇心を育み、命の大切さ・複雑さを知ってください。また、科学の知識に偏ることなく、文化や伝統なども大切にする、知性と品格のある人間になってください。講義では板書したことを受動的に書き写すだけではなく、話している内容を理解し、自ら重要だと判断した場合に書き取ることができるようにトレーニングを積んでください。人生において学問は非常に大切です。 
参考URL
画像
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更新日時 2020/01/20 16:21


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