シラバス参照

科目名 現代日本政治 
担当者氏名

松本 俊太

全開講対象学科 法学部法学科
年次 3年次 
クラス  
講義学期 前期 
単位数
必選区分  
学期・曜日・時限  
部門 専門教育科目-政治学部門 
備考 学生便覧に基づき全体として講義時間の2倍程度の事前・事後学習が必要です 



準備学習・事後学習
・1年生配当「政治学入門」の知識を有していることを前提とする。

・下記「履修上の留意」記載事項にしたがうこと。

・高等学校で履修する「現代社会」(または「政治・経済」)の知識や新聞で報道されるレヴェルの時事問題の知識を有していることを前提とする。

・中間試験および定期試験の解答・解説・講評を記した文書を、採点終了後にWeb Classにて公表する。 
履修上の留意
・1年生配当「政治学入門」を履修済みであることを強く求める(とくに、戦後日本の政治史について予習・復習しておくこと)。

・2年生配当「政治過程論」を履修済みであることが望ましい。

・1年生配当「政治学入門」を履修済みであることを強く求める。また、「政治過程論」「行政学」「政治史」と一部内容が重なるので、併せて受講すると理解が深まると思われる。

・この科目は、1年生配当「政治学入門」の知識を前提とする。この講義を受講する過程で、難易度が高いと思うならば、その理由は予備知識の不足である。その場合は躊躇なく単位取得を諦めて構わない。

・講義中に配布するハンドアウトや各種の配布物は、配布から1~2週間後に廃棄する。入手し損ねた場合は、Web ClassにPDF形式で保管しておくので、各自入手すること。

・講義中の私語と電子機器の使用は厳禁とする。それ以外の受講ルールは比較的緩やかに運用させる。 
授業の概要と目的
第一部:イントロダクション、第二部:有権者の政治行動・選挙・政党の諸理論、第三部:現代日本政治史への応用。第二部は、「政治過程論」の中でも、一般有権者の行動(政治意識・世論・投票行動など)に関する諸理論や、「選ばれる側」である政党や政治家の行動に関する諸理論を学び、つづく第三部では、それらの理論との関連で、1955年以降の日本政治、とりわけ、選挙制度と政党政治について学ぶ。科学的な政治学の分析手法を用いて現実の日本政治を理解することで、世に溢れているジャーナリスティックな政治評論と異なった(または同じような)、日本政治に関する理解と説明を試みることができるであろう。(科目ナンバリングコード:LL31701)本授業はCP2およびDP1に該当する 
サブタイトル
政党・選挙・世論の理論と実証分析。戦後日本の政党政治と選挙制度。 
到達目標
政治家・政党・有権者などの行動を理論的に学ぶことで、現代の日本政治について、論理的で客観的な考え方ができるようになること。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. イントロダクション  講義の進め方や成績評価などについての説明。基本的な概念の復習。 
2. 日本政治を理解するために、「政治過程論」を学ぶ意義  科学的に政治を分析する「政治過程論」に基づいて現代日本政治を学ぶとはどういうことか。「日本は特殊な国である」という命題に関する論争を軸に考える。 
3. 政治学方法論1:データの読み方  科学的な政治の分析を学ぶ上で最低限必要な方法論について、この講義を受講する上で有用なスキルである、定量的なデータの読み方に限定して学ぶ。(方法論に関するより原理的な事柄については、「政治過程論」内の政治学方法論の回を参照) 
4. 政治行動の諸理論1:概略/価値と政治意識  政治行動の諸理論について紹介する前提として、人間(とりわけ、我々一般国民)の意識や行動から、様々な政治現象を説明することの意義と、その限界について説明する。そのスタートとして、イデオロギーや政治意識といった、人々の心に関する諸学説を紹介する。 
5. 政治行動の諸理論2:社会階層と社会ネットワーク  人々は、集団としてまとまった場合、どのような政治意識をもち、どのような行動をするのか。「社会階層」(学歴・収入など)と、「社会ネットワーク」というふたつの概念にわけて検討する。 
6. 政治行動の諸理論3:メディアと政治1  メディアは、一般国民の政治行動に対して、どの程度の、あるいはどのような影響力をもつのか。「強力効果説」と「限定効果説」の間の論争や、テレビの登場や心理学の理論的・方法的発展を反映した「強力効果説」の復権などについて概説する。 
7. 政治行動の諸理論4:メディアと政治2  メディアと政治をめぐる最近の現象として、インターネットと政治の関係や、日本におけるマス・メディアについて検討する。 
8. 投票行動の諸理論1:政党支持・投票選択の「非」合理的選択モデル  有権者の普段の政党支持に関する理論を紹介する。つづいて、投票場に足を運んだ有権者が、どの政党や候補者に投票するのかを説明するための理論のうち、有権者の非合理的な側面を強調する理論として、社会学モデル(コロンビア・モデル)と心理学モデル(ミシガン・モデル)を紹介する。 
9. 投票行動の諸理論2:投票選択2(投票選択の合理的選択モデル)  政治学全般における、「合理的選択理論」の登場、および、ミシガン・モデルへの批判を背景として登場してきた、有権者が「合理的」に投票を行っていることを論じる諸モデルを紹介する。ダウンズの空間投票モデル・業績投票モデル・争点投票モデル・個人投票モデルなど。 
10. 投票行動の諸理論3:投票参加・その他の政治参加  有権者の投票行動を説明するためには、そもそも有権者は投票場に足を運ぶか否か(投票参加)から検討する必要がある。投票への参加だけでなく、その他の形態の参加(選挙活動や地域活動など)を含む、有権者の政治参加を説明するための諸理論を紹介する。また、社会ネットワークや政治参加に関連する新しい学説である、「人間関係資本」(social capital)を簡単に紹介する。 
11. これまでの講義のまとめ/中間試験対策  これまでの講義のまとめ、および、中間試験対策を行う。 
12. 中間試験とまとめ  通常の講義時間を用いて中間試験を行う(試験範囲は第10回講義まで)。中間試験終了後、解答の解説を行う。試験の形式・評価基準など詳細は、4月下旬~5月上旬に説明する。 
13. 政党政治の諸理論1:政党・議会・選挙の基礎知識1  我々一般国民が国の政治を委任する対象である政党(およびそれを構成する政治家)について、および、政党の主な活動の場である、議会と選挙について、基礎的な知識を学ぶ。1回目は、政党の定義や、そもそもなぜ政党が必要とされるのかを考える。 
14. 政党政治の諸理論2:政党・議会・選挙の基礎知識2  我々一般国民が国の政治を委任する対象である政党(およびそれを構成する政治家)について、および、政党の主な活動の場である、議会と選挙について、基礎的な知識を学ぶ。2回目は、政党の組織や、議会における政党について学ぶ。 
15. 政党政治の諸理論3:政党システムと社会  まず、選挙制度と政策過程をつなぐ重要な概念である「政党システム」について説明する。つづいて、ある国の政党システムの決定要因に関する諸理論を紹介する。1回目は、政党システムは、社会に存在する対立軸の数と種類によって決まるという「社会的亀裂」の議論。 
16. 政党政治の諸理論4:政党システムと選挙制度  政党システムの決定要因に関する諸理論の紹介。2回目は、選挙制度によって政党システムが決まるとする理論。「デュヴェルジェの法則」・「M+1ルール」など。 
17. 政治学方法論2:歴史の学び方  歴史を学ぶ、あるいは論じる上での方法論について学ぶ。併せて、第2~3回講義で論じた「科学的な政治学」の方法論との共通点と相違点について論じる。 
18. 現代日本政治の歴史1:55年体制1  1955年以降の日本政治、とくに自民党政治の歴史について、概略を述べる。1回目は、自民党結党の過程から、結党当初の改憲路線が挫折する1960年まで。 
19. 現代日本政治の歴史2:55年体制2  1955年以降の日本政治、とくに自民党政治の歴史について、概略を述べる。2回目は、55年体制期の自民党の路線を確立させた「保守本流」の時代(池田・佐藤・田中内閣)。 
20. 現代日本政治の歴史3:55年体制3  1955年以降の日本政治、とくに自民党政治の歴史について、概略を述べる。3回目は、派閥の対立がクライマックスを迎えた1970年代。 
21. 現代日本政治の歴史4:55年体制4  1955年以降の日本政治、とくに自民党政治の歴史について、概略を述べる。4回目は、派閥間の均衡と派閥内の対立へと変化するとともに、自民党政治の諸問題が噴出した1980年代。 
22. 現代日本政治の歴史5:55年体制の終わりと政治改革・政界再編  55年体制が生んだ諸問題として、何が認識されたのか、およびそれに対する解決策として登場した政治改革とはどのようなものだったのか。1980年代後半から1990年代前半までの、政治改革をめぐる議論とその展開の歴史を概説する。 
23. 現代日本政治の歴史6:ポスト55年体制1  55年体制が終わった1990年代前半から現在までの日本政治の歴史、とくに政界再編について、概略を述べる。1回目は、政治改革をめぐる自民党の分裂(55年体制の崩壊)から激しい政党の離合集散を経験した1990年代後半まで。 
24. 現代日本政治の歴史7:ポスト55年体制2  55年体制が終わった1990年代前半から現在までの日本政治の歴史、とくに政界再編について、概略を述べる。2回目は、小泉純一郎政権の登場により自民党内にも与野党間の関係にも変化が生じたといわれる2000年代前半から、2019年現在まで。 
25. 政治改革の評価1:投票行動・選挙結果・政党システム  1990年代に行われた「政治改革」は果たして、改革を行った政治アクターの意図(≒これまでの講義で紹介してきた諸学説!)どおりの結果を、現在の日本政治にもたらしたのかを考える。1回目は、有権者の投票行動と選挙結果の側面に焦点を当てて検証する。 
26. 政治改革の評価2:政党システム・政策過程・権力過程  1990年代に行われた「政治改革」は果たして、改革を行った政治アクターの意図(≒これまでの講義で紹介してきた諸学説!)どおりの結果を、現在の日本政治にもたらしたのかを考える。2回目は、連立政権による政策過程と、首相のリーダーシップについて論じる。 
27. 政治改革の評価3:最新の状況  1990年代に行われた「政治改革」は果たして、改革を行った政治アクターの意図(≒これまでの講義で紹介してきた諸学説!)どおりの結果を、現在の日本政治にもたらしたのかを考える。3回目は、政権交代を果たした民主党政権(2009年~2012年)が目指した改革とその顛末、およびその後の自民党政権(2012年~)について概説する。 
28. これまでの講義のまとめ  「理論」「歴史」「実証」の観点から、これまでの講義を復習する。 
29. Q and A セッション  受講生から集まった質問の中から良質のものを選び、担当教員が解説を行う。 
30. 総括  これまでの講義を総括する。併せて、定期試験の対策を行う。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 政治学 補訂版  久米郁男他  有斐閣 
2. 自民党  北岡伸一  中央公論新社 
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 政治行動論  飯田健他  有斐閣 
2. 新版 アクセス日本政治論  平野浩・河野勝編  日本経済評論社 
3. 現代日本政治史  薬師寺克行  有斐閣 
4. その他、講義中に指定する。     
授業方法の形式
講義 
成績評価方法及び評価基準
・WebClass内テスト(60%)、期末レポート(40%)。

・正式な成績評価の方法・授業計画・注意事項等は、初回の講義にて配布する「詳細版シラバス」にて指示する。 
受講生へのメッセージ
この講義は、「政治過程論」と呼ばれる学問分野の半分を占める、政党・選挙・世論の諸理論の紹介と、それら理論を現代日本政治に応用することを目的とする。学問のフィルターを通すことで、時事問題を中心とする日本政治について、いろいろ新しい見方ができることを学んでほしい。授業では、そのための材料を、硬軟とりまぜてできるだけ多く提供したいと思っている。 
参考URL
画像
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更新日時 2020/10/10 16:27


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