シラバス参照

科目名 専門演習1 
担当者氏名

松本 俊太

全開講対象学科 法学部法学科
年次 3年次 
クラス  
講義学期 通年 
単位数
必選区分  
学期・曜日・時限  
部門 専門教育科目-演習部門 
備考 学生便覧に基づき全体として講義時間の2倍程度の事前・事後学習が必要です 



準備学習・事後学習
・下記「履修上の留意」記載事項にしたがうこと。加えて、高等学校で履修する「現代社会」(または「政治・経済」)の知識や新聞で報道されるレヴェルの時事問題の知識を有していることを前提とする。

・受講生による論文執筆や報告に向けて、適宜質問を受け付ける。また、学期中に提出される論文の草稿については添削と仮の採点を行った上で返却する。 
履修上の留意
・「政治学入門」を履修済みであることを強く望む。「政治過程論」「現代日本政治」を履修済みまたは同時に履修していることが望ましい。 
授業の概要と目的
「政治過程論」とは、どのように(主に)現代の政治がうごいているのかを明らかにするための学問分野である。この分野は、複雑な現象を単純な形で一般化するための「理論」と、それが現実と照らし合わせて正しいかどうかを実証する「方法」のふたつの柱によって成り立っている。ところが、前者については担当教員担当のふたつの講義(「政治過程論」「現代日本政治」)で扱っているものの、後者については時間等の事情でほとんどとりあげていない。そこで、この「方法」について学び、考え、受講生が自ら実践することを課題としたい。

 1年間の大まかな流れとしては、最初に、政治学で用いられている各種の実証分析の方法について学び(詳細は【授業計画】の項目を参照)、そこで学んだ何らかの方法を用いて、受講生が任意に設定した論題について論文の執筆を行うこととする。実定法解釈学と政治学(およびその他多くの社会科学)とでは、思考法や調査法が大きく異なることに留意されたい。法律の勉強に満足している学生は、(どちらが良いかは別として)異質な世界を体験することになるであろうし、法学部に入ったものの法律を学ぶことに不満や限界を感じている学生にとっては、むしろ政治学の方に適正を見いだせる可能性があるのかもしれない。

真剣に学問に打ちこむことは勿論、協調性かつ(または?)リーダーシップのある受講生の参加を期待する。
(科目ナンバリングコード:LL31101)本授業はCP3およびDP1に該当する 
サブタイトル
政治学のリサーチ・デザイン 
到達目標
政治をはじめとする社会現象一般について実証的な調査を行うための能力を修得すること。最終的には、政治・社会・人間行動全般について自分の頭で考え、積極的に人に伝えるだけの能力を養うこと。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. イントロダクション  自己紹介・1年間の概略の説明などを行う。 
2. 現代政治の実証分析:概略  大学で学ぶこととはそもそも何であるのか、さらに、演習という形式の授業が大学教育の最終盤におかれる意義深いものであることを、担当教員が講義し、その内容を全員でディスカッションする。 
3. 高根 (1979) 1  高根正昭 (1979) 『創造の方法学』の内容について、担当教員が事前に設定する問題に対して、受講生全員が解答を準備し、それに基づいて全員でディスカッションを行う。第1回は、科学的な理論の概略(記述と説明)および、規範理論との違いを論じる。 
4. 高根 (1979) 2  引き続き、高根正昭 (1979) 『創造の方法学』の内容について、担当教員が事前に設定する問題に対して、受講生全員が解答を準備し、それに基づいて全員でディスカッションを行う。第2回は、理論から仮説を導出する方法を論じる。 
5. 高根 (1979) 3  引き続き、高根正昭 (1979) 『創造の方法学』の内容について、担当教員が事前に設定する問題に対して、受講生全員が解答を準備し、それに基づいて全員でディスカッションを行う。第3回は、理論を実証するための定量的な方法を論じる。 
6. 高根 (1979) 4  引き続き、高根正昭 (1979) 『創造の方法学』の内容について、担当教員が事前に設定する問題に対して、受講生全員が解答を準備し、それに基づいて全員でディスカッションを行う。第4回は、理論を実証するための定性的な方法を論じる。 
7. 高根 (1979) 5  引き続き、高根正昭 (1979) 『創造の方法学』の内容について、担当教員が事前に設定する問題に対して、受講生全員が解答を準備し、それに基づいて全員でディスカッションを行う。第5回は、方法と方法論の関係や、科学哲学の最初歩を論じる。 
8. 理論の作り方1:先行研究の集め方・読み方・まとめ方1(図書館見学)  以下、実証分析を行うために用いられる各種の方法について、それぞれの長所と短所を1話完結方式にて学ぶ。初回は、文献の調べ方を習得すべく、図書館見学を行う。 
9. 理論の作り方2:先行研究の集め方・読み方・まとめ方2  前回で学んだ文献の調べ方を踏まえて、先行研究の読み方とまとめ方を学ぶ。 
10. 理論の作り方3:論理的思考法  理論を作る議論を行う前段階として、論理的な思考の方法について基本を学ぶ。 
11. 理論の作り方4:事例研究  ひとつの事例を狭く深く学ぶことを通じて、その事例を一般化する形で仮説を立てる方法を学ぶ。 
12. 理論の作り方5:数理モデル  演繹的に人間行動を理解する試みである数理モデルについて、その意義と限界を学ぶ。 
13. リサーチ・デザイン論文1:論文の書き方  後期の最後に予定しているリサーチ・デザイン論文の執筆に向けて、調査を行い論文を書くための実践的な方法を講義する。具体的には、資料の調べ方・引用の付け方・正しい日本語表現・図表の作り方などを紹介する。 
14. ヘルプ・セッション  ここまでの講義の内容を踏まえて、リサーチ・デザイン論文の論題設定を行うことを、夏休みの課題とする。この課題に関する受講生からの質問を受け付け、これについて議論する。 
15. 前期のまとめ  前期の最終回は、前期の講義の内容について、全員でフリー形式のディスカッションを行う。 
16. ・後期イントロダクション

・リサーチ・デザイン論文2:中間報告1 
リサーチ・デザイン論文の中間報告を、受講生全員が行う。今回は、1人あたり5分以内で、論題の設定を行う。 
17. 仮説の実証の方法1:理論から仮説へ/概念の記述・操作化  抽象的な概念を記述したり、観察可能なもの(定量的なデータや定性的な情報)に置き換えたり(操作化という)する方法を論じる。また、操作化された概念の良し悪しを評価する基準である、信頼性と妥当性について講義する。 
18. 仮説の実証の方法2:何を観察するか?  分析の単位(個票データと集計データ)・情報の種類(クロスセクション・時系列・パネル)・サンプルのとりかたなど、「何を観察するか」という問題を議論する。 
19. 仮説の実証の方法3:定量的データの作り方1(世論調査・内容分析)  抽象的な概念を数量的なデータに置き換える際に、客観的なデータが得られない場合は、研究者が自らデータを作成する必要がある。その代表的な方法として、世論調査と内容分析の2つを学ぶ。 
20. 仮説の実証の方法4:定量的データの作り方2(実験・シミュレーション)  因果関係の検証を厳密に行うために、実験やシミュレーションが行われることがあり、政治学においてもそういった研究が増えてきている。ここでは、実験やシミュレーションに基づいてデータを得ることの長所と短所を学ぶ。 
21. リサーチ・デザイン論文3:中間報告2  リサーチ・デザイン論文の中間報告を、受講生全員が行う。今回は、1人あたり5分以内で、先行研究のレビューを報告する。 
22. 仮説の実証の方法5:定性的研究1(比較事例研究・単一事例研究)  理論を実証するために、少数の事例を丹念に記述し、それを一般化することを目指す「事例研究」の手法について学ぶ。さらに、因果関係のメカニズムの解明だけでなく因果関係の効果の大きさの検証を目指す、比較事例研究についてもここで扱う。 
23. 仮説の実証の方法6:定性的研究2(聞き取り調査・参与観察)  文字として残された資料以外に、定性的分析において用いられることが多い、聞き取り調査や参与観察について学ぶ。 
24. 方法論まとめ/残された課題  これまで学んだ政治学の方法論の背景にある、科学という営みにまつわる哲学的な問題について、具体例を交えながら、担当講師が解説する。そして、その内容について、受講生全員でディスカッションを行う。 
25. 方法論まとめ/残された課題(つづき)  前回につづき、科学という営みにまつわる哲学的な問題について、担当講師が解説し、受講生全員でディスカッションを行う。 
26. リサーチ・デザイン論文4:プレゼンの方法  研究の内容を口頭報告(プレゼンテーション)の形式で報告する際の基本的な指針を、Microsoft Power Pointのスライドを用いながら解説する。加えて、若干の技術的なアドヴァイスを行う。 
27. リサーチ・デザイン論文5:中間報告3  論題の設定から仮説の提示までを行ったリサーチ・デザイン論文を執筆する。その概略を各受講生が1人あたり10分以内で報告し、全員で議論する。 
28. リサーチ・デザイン論文6:中間報告3(つづき)  前回につづき、論題の設定から仮説の提示までを行ったリサーチ・デザイン論文を執筆する。その概略を各受講生が1人あたり10分以内で報告し、全員で議論する。 
29. リサーチ・デザイン論文7:口頭試問  リサーチ・デザイン論文の内容に関する口頭試問を行う。 
30. 後期のまとめ  後期の最終回は、後期の講義の内容について、全員でフリー形式のディスカッションを行う。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 創造の方法学  高根正昭  講談社現代新書 
2. 社会科学の考え方  野村康  名古屋大学出版会 
3. 最新版 大学生のためのレポート・論文術  小笠原喜康  講談社現代新書 
4. いずれも購入する必要はない。     
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 講義期間内にコピーを配布する     
授業方法の形式
演習 
成績評価方法及び評価基準
参加状況(30%) 各種の課題(40%) 演習レポート(リサーチ・デザイン論文)(30%)。演習レポートを提出しない場合は単位を認定しない。正式な成績評価の方法・授業計画・注意事項等は、初回の講義にて配布する「詳細版シラバス」にて指示する。 
受講生へのメッセージ
演習では、勉強をすることと並んで、他の受講生や担当教員と遠慮なくコミュニケーションをとり、集団で学ぶために必要なチームワークを身につけることが大切である。そのために飲み会を数回行う。また、できれば合宿を1回行いたい。 
参考URL
画像
ファイル
更新日時 2020/01/17 14:00


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