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科目名 政治史 
担当者氏名

矢嶋 光

全開講対象学科 法学部法学科
年次 2年次 
クラス  
講義学期 後期 
単位数
必選区分  
学期・曜日・時限  
部門 専門教育科目-政治学部門 
備考 学生便覧に基づき全体として講義時間の2倍程度の事前・事後学習が必要です 



準備学習・事後学習
毎回授業の終わりにその回と次回の講義の要点を示しますので、復習と予習をかねて、該当する参考書の箇所を読むようにしてください。また、参考書が難しいと感じる場合には、高等学校で使用される日本史の教科書をあわせて参照してください。このほかに、授業のなかで課題を課す場合があります。課題については、次回の授業で解説をおこないますので、必ず準備して臨むようにしてください。 
履修上の留意
1年生配当科目の「政治学入門」が履修済みであること、そうでない場合は同時に履修することを強く勧めます。また、ほかの政治学関連の専門科目を受講する予定の学生は、本授業を履修することを勧めます。
そのほかの留意点については、授業の「はじめに」で説明します。 
授業の概要と目的
本授業は、近代以降における日本政治の歴史を学ぶことを通じて、現在の日本が直面している政治や外交の問題を理解するための手がかりをつかむことを目的とします。
この目的を達成するために、授業ではとくに内政と外交の連関に注目しながら講義を進めていきます。日本の近代国家形成の端緒は、幕末における西洋との出会いに求めることができます。対外危機への対処として新しい政治体制がつくりだされ、その新たに再編された日本は次第に国際関係(とくに東アジア)に影響力を行使するようになっていきました。またアジア・太平洋戦争に敗北した日本の戦後は、米国による占領からはじまりました。そして米ソ冷戦のなかで米国を中心とする自由主義陣営の一員として独立した日本では、対米協調を基軸とする保守政治が定着していきます。
受講生の皆さんには、こうした国際環境の変容と日本国内の政治体制の変動という相互作用を学ぶことで、21世紀の国際社会において日本の内政と外交がどのように推移していくのかを自分なりに考えられるようになってもらいたいと思います。

(科目ナンバリングコード:LL21701)
(本授業は、CP2およびDP1に該当する。) 
サブタイトル
近現代日本の内政と外交 
到達目標
(1)内政と外交の関連性を理解すること。
(2)近代以降における日本政治の特徴を理解したうえで、現在の日本が直面している政治や外交の問題に対して自分なりの意見を述べられるようになること。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. はじめに  本授業の進め方 
2. 西洋の衝撃と明治国家の建設  ペリー来航後の尊王攘夷運動から倒幕を経て新政府の樹立に至るまでの政治過程を概観します。 
3. 明治六年の政変と内治優先主義の確立  国内統治機構の整備や産業育成を優先する内治派と征韓論を主張する外征派の対立を軸として、新政府樹立後の政権構想をめぐる争いを解説します。 
4. 明治一四年の政変と明治憲法の制定  西南戦争後の藩閥政府と自由民権運動とのあいだの対立と提携の関係に注目しながら、藩閥政府がプロイセン流の憲法を導入するに至る過程を説明します。 
5. 初期議会(1)―「富国強兵」か「民力休養」か  「富国強兵、殖産興業」を掲げる藩閥政府と「政費節減、民力休養」を掲げる民党の対立を軸として、第一議会から日清戦争直前までのいわゆる初期議会における政治過程を説明します。 
6. 初期議会(2)―条約改正問題をめぐる藩閥政府と民党  前回に引きつづいて初期議会における藩閥政府と民党の対立を見ていきます。その際、とくに条約改正問題に焦点を当てながら民党が持っていた「対外硬」派としての側面について説明します。 
7. 日清戦争と議会政治の定着(1)―朝鮮問題と日清戦争への道  近代日本にとって初めての対外戦争である日清戦争の開戦過程について、朝鮮半島をめぐる日清間の対立と協調の関係に注目するとともに、藩閥政府と民党という国内政治の対立状況にも留意しながら見ていきます。 
8. 日清戦争と議会政治の定着(2)―戦後経営と立憲政友会の成立  日清戦後経営をめぐって藩閥政府と民党のあいだには対立だけでなく提携関係が生じ始めます。そうした提携関係が伊藤博文を総裁とする立憲政友会の成立へとつながる過程を見ていくとともに、一方で民党との提携を拒否する官僚勢力が山県有朋のもとに結集していく過程についても説明します。 
9. 日露戦争と桂園体制の成立(1)―日英同盟と日露戦争への道  日露戦争の開戦過程における日英同盟論と日露協商論という二つの外交路線を解説するとともに、日英同盟から日露戦争へと至る開戦過程を主導した桂太郎の台頭という藩閥内における世代交代についても注目します。 
10. 日露戦争と桂園体制の成立(2)―戦後経営と「情意投合」路線の成立  日露戦後になると、桂と西園寺公望率いる政友会とのあいだで交互に政権交代をおこなう桂園体制が成立します。こうした藩閥と政友会との提携関係に基づく安定した政権運営が実現された要因を探ることを通じて、当該時期の政治の特徴を説明します。 
11. 大正政変と桂園体制の終焉  陸軍による二個師団増設要求に端を発する大正政変について、中国政策をめぐる諸政治勢力の対立という観点から説明するとともに、山県閥と政友会の双方から自立を図ろうとする桂の動向に留意しつつ、大正政変の持つ政治史的な意義についても解説します。 
12. 第一次世界大戦と日本の外交  第一次世界大戦の勃発によって日本の中国政策を制約してきた要因が変化し、日本の大陸膨張政策が積極化していく一方で、そうした日本の対外政策が日米関係を著しく悪化させていく過程を見ていきます。 
13. 政党内閣の成立とワシントン会議への道  第一次世界大戦後の国内外の新しい状況に対応した原敬の政治指導について、陸軍や山県系官僚閥との関係にも言及しつつ、中国政策や対米外交を中心に扱います。 
14. ワシントン体制の成立と政党内閣の定着  第二次大隈重信内閣の退陣から護憲三派内閣の成立までのあいだ、野党として憲政会を率いた加藤高明の政治指導を見ていきます。その際、加藤がワシントン体制を積極的に受容していった点に注目するとともに、加藤憲政会の政権獲得によって与野党間における政権交代という、いわゆる「憲政の常道」が実現されることになった点を説明します。 
15. ワシントン体制下の日本の外交  政友会と憲政会(立憲民政党)が交互に政権を担う二大政党制時代の日本の外交について、軍部の動向にも留意しながら解説します。 
16. 前半の講義のまとめと中間試験  前半の講義のまとめをおこなうとともに、受講生の理解度を測るために中間試験をおこないます。 
17. 満洲事変と政党内閣の崩壊  第一次世界大戦後の軍部、とくに陸軍中堅層の総力戦体制構想について解説するとともに、彼らの政党に対する見方が最終的には政党との対決へと傾き、満洲事変の勃発へと至る過程を見ていきます。 
18. 挙国一致内閣期の内政と外交(1)―暫定的危機管理内閣としての挙国一致内閣  五・一五事件後に成立したいわゆる挙国一致内閣期の内政と外交について、満洲事変の危機を政治体制の変革にまでつなげようとする軍部とそれを阻止しようとする政党をはじめとする諸政治勢力の対抗関係に注目しながら説明します。 
19. 挙国一致内閣期の内政と外交(2)―天皇機関説事件・華北分離工作・二・二六事件  前回に引きつづき挙国一致内閣期の内政と外交について解説します。その際、陸軍内における派閥抗争に注目しながら、そうした派閥抗争が内閣による陸軍の統制を困難にしていった点を説明します。 
20. 日中戦争をめぐる政治と外交  盧溝橋事件に端を発する日中戦争の拡大過程を説明します。その際、内閣と軍部の対立だけでなく、陸軍と海軍、陸軍省と参謀本部といった軍内部の対立にも注目し、戦争が長期化していく過程を見ていきます。 
21. 近衛新体制から日米開戦へ  日中戦争が長期化していくなかで本格化し始めた新体制運動が大政翼賛会に帰結するまでの過程を見るとともに、対外的には日独伊三国同盟から日米開戦へと至るまでのあいだを扱います。 
22. 終戦をめぐる政治過程  マリアナ沖海戦での敗北を契機とする東条英機内閣倒閣運動から鈴木貫太郎内閣におけるポツダム宣言受諾の決定へと至る政治過程について、とくに宮中の動向に焦点を当てながら見ていきます。 
23. 敗戦・占領・講和(1)―日本の民主化と非軍事化  米国の対日占領政策の形成について概観するとともに、敗戦後の日本において実施された諸改革について、日本側の対応にも注目しながら説明します。 
24. 敗戦・占領・講和(2)―占領下の政党政治  戦後における政党の復活から占領下保革中道政権の成立と崩壊までの過程を日米間のクロス・ナショナルな提携関係に注目しながら解説します。 
25. 敗戦・占領・講和(3)―サンフランシスコ講和への道  講和独立期の内政と外交について、軽武装・経済中心主義・日米安保体制の組み合わせを選択し、軽武装通商国家を目指すという戦後日本の国家像を提示した吉田茂の政治指導を中心に見ていきます。 
26. 一九五五年体制の成立(1)―冷戦の進展と保革の対立  戦後の政党対立が自由民主党と社会党という保革二大政党に収斂する過程を国際的な冷戦の進展過程と関わらせながら説明します。 
27. 一九五五年体制の成立(2)―安保改定と保革対立の激化  岸信介が主導した安保改定の交渉過程を概観するとともに、同問題で頂点に達した保革の対立についても見ていきます。 
28. 高度経済成長と戦後保守政治の定着  安保改定反対運動の盛り上がりのなかで退陣した岸のあとを受けた池田勇人の政治指導を見ていくとともに、経済成長の実現によって自民党による一党優位体制が定着していく過程を説明します。 
29. 沖縄返還と日米安保体制の確立  池田から後継指名を受けたのち、7年以上も首相の座にあった佐藤栄作の政治指導について、とくに沖縄返還問題を中心に見ていきます。また沖縄返還が日米安保体制に及ぼした影響についても解説します。 
30. おわりに  これまでの講義のまとめをおこなうとともに、定期試験についての説明もおこないます。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. テキストは使用しません。毎回授業のはじめにレジュメを配布します。     
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 日本政治外交史  五百旗頭薫・奈良岡聰智  放送大学出版会 
2. 日本政治史―外交と権力(増補版)  北岡伸一  有斐閣 
3. ハンドブック近代日本外交史  簑原俊洋・奈良岡聰智編  ミネルヴァ書房 
4. 近代日本政治史  坂野潤治  岩波書店 
5. そのほかにも授業中に適宜指示します。     
授業方法の形式
講義 
成績評価方法及び評価基準
定期試験:50%
中間試験:50%
詳細については、授業の「はじめに」で説明します。
なお、試験に関しては、WebClassに回答例と採点のポイントを掲載します。より詳しく知りたい場合には、オフィスアワーにおいて受け付けますので、アポイントメントをとるようにしてください。 
受講生へのメッセージ
私たちはある事象の個性を理解するために、そのほかの事象との共通点と相違点を判別し整理する作業、すなわち比較をおこなうことがあります。現在の日本政治を理解するために、空間的な比較をおこなうならば、それは日本と諸外国の政治を比べるということになります。こうした点から見れば政治史を学ぶことは、現在の日本政治と時間的な比較をおこなうための一つの視点を得ようとするものといえます。したがって、歴史それ自体に関心を持っている学生の皆さんはもちろん、現在の日本政治に関心を持っている学生の皆さんにも本授業を積極的に受講してもらいたいと思っています。 
参考URL
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更新日時 2020/01/27 14:42


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