シラバス参照

科目名 政治過程論 
担当者氏名

松本 俊太

全開講対象学科 法学部法学科
年次 2年次 
クラス  
講義学期 後期 
単位数
必選区分  
学期・曜日・時限  
部門 専門教育科目-政治学部門 
備考 学生便覧に基づき全体として講義時間の2倍程度の事前・事後学習が必要です 



準備学習・事後学習
・1年生配当「政治学入門」の知識を有していることを前提とする。

・下記「履修上の留意」記載事項にしたがうこと。

・高等学校で履修する「現代社会」(または「政治・経済」)の知識や新聞で報道されるレヴェルの時事問題の知識を有していることを前提とする。

・中間試験および定期試験の解答・解説・講評を記した文書を、採点終了後にWeb Classにて公表する。 
履修上の留意
・1年生配当「政治学入門」を履修済み、あるいは同時に履修していることを強く求める。また、「憲法2」「行政学」「現代日本政治」と一部内容が重なるので、併せて受講すると理解が深まると思われる。

・この科目は、1年生配当「政治学入門」の知識を前提とする。この講義を受講する過程で、難易度が高いと思うならば、その理由は予備知識の不足である。その場合は躊躇なく単位取得を諦めて構わない。

・講義中に配布するハンドアウトや各種の配布物は、配布から1~2週間後に廃棄する。入手し損ねた場合は、Web ClassにPDF形式で保管しておくので、各自入手すること。

・講義中の私語と電子機器の使用は厳禁とする。それ以外の受講ルールは比較的緩やかに運用させる。 
授業の概要と目的
第一部:政治学方法論、第二部:行動論的政治学、第三部:新制度論。戦後から現在までの政治学(とくにアメリカ政治学)の歴史に残る業績と、それらをめぐる学術的な論争を紹介する。どのように、現実の政治を説明する理論(モデル)が生まれたのか。それらはどのような現実を説明でき、説明できないかを考える。

(科目ナンバリングコード:LL21703)本授業はCP2およびDP1に該当する 
サブタイトル
現代の政治を科学的に分析する 
到達目標
現代の政治や政策について、および政治に関する報道・評論・学術論文などについて、批判的に消費するスキルを養うこと。具体的には、物事を暗記することよりも、物事を徹底的に論理的に考える能力と体力を身につけること。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. イントロダクション  講義の進め方や成績評価などについての説明。基本的な概念の復習。 
2. 講義の前提となる基礎知識  この講義は政治学関連科目の中でも最も難易度が高く、十分な予備知識を有していることを必要とする。そこで、高等学校公民科や、大学1年生レヴェルの基礎知識を、1問1答形式で復習する。 
3. 政治学方法論1:なぜ科学的に学ぶのか?  科学的に政治を分析するとはどういうことか。それはなぜ必要か。1940~50年代に政治学を含む社会科学の世界で起こった「行動科学革命」を軸に考える。 
4. 政治学方法論2:どのように科学的に学ぶのか?  科学的に政治(および社会科学一般)を学ぶには、どのような手順を踏むのか。政治学方法論の議論のさきがけとなった、King, Keohane, Verba (1994) を軸に考える。続いて、理論の作り方や、「記述的推論」と「因果的推論」・「定量的研究」と「定性的研究」などの概念を解説する。 
5. 政策過程と権力過程1:意思決定とアクターの合理性  人間、あるいは人間の集団である組織や社会は、どのようにして意思決定するのかという問いを扱った理論を複数紹介する。とくに、アクターの合理性について、限定合理性モデル(Simon 1947)、アリソンの3つのモデル(Allison 1971)、などを中心に紹介する。 
6. 政策過程と権力過程2:政策過程のモデル  政策過程を、課題設定から政策の執行と評価までの一連のサイクルととらえる観点からスタートし、その意義と限界を論じた理論を複数紹介する。非決定権力、アジェンダ・セッティング(Kingdon 1984)、 ゴミ缶モデル(March and Olsen 1972)など。 
7. 政策過程と権力過程3:権力をめぐる論争  「権力」という概念を中心に政治をとらえる見方を紹介する。エリート理論と多元主義の論争(Hunter 1953; Dahl 1961)、非決定の権力(Bachrach and Baratz 1962)、三次元的権力論(Lukes 1974)など。 
8. 利益団体の政治学1:利益団体とは何か?/トルーマンのグループ理論  選挙と並んで一般国民が政治に関わる重要な手段である、利益団体の形成と活動について、基礎的な知識を確認する。つづいて、利益団体の活動によって民主的に政策が決まるという、グループ理論(多元主義)(Truman 1951)を紹介する。 
9. 利益団体の政治学2:トルーマンのグループ理論とその批判  Truman (1951) のグループ理論に対する各種の批判(Olson 1965; Schattschneider 1960; Lowi 1969など)を紹介する。 
10. 利益団体の政治学3:コーポラティズム/日本における利益団体政治  前回のグループ理論批判の続きとして、西欧におけるコーポラティズム(Schmitter and Lehmbruch 1979など)の紹介。および以上を踏まえて、日本の利益団体政治を考える。 
11. 一般有権者の政治行動1:有権者・政治家・政党  われわれ一般の人々の心(または頭の中)はどのように形成されるのか。「イデオロギー」「政治意識」およびそれらを集計した「政治文化」といった概念を説明しつつ、これらに関する諸学説を紹介する。 
12. 一般有権者の政治行動2:イデオロギー・政治意識・政治文化  われわれ一般の人々の心(または頭の中)はどのように形成されるのか。「イデオロギー」「政治意識」およびそれらを集計した「政治文化」といった概念を説明しつつ、これらに関する諸学説を紹介する。 
13. 一般有権者の政治行動3:投票行動  一般国民が政治に関わる手段として最も重要な選挙において、我々はどのような判断に基づいて投票しているのか。有権者は合理的に判断していないという見方(社会学モデル・心理学モデル)と、合理的な有権者を想定する見方(経済学モデル)との対立を中心に紹介する。 
14. これまでの講義のまとめ/中間試験対策  これまでの講義のまとめ、および、中間試験対策を行う。 
15. 中間試験とまとめ  通常の講義時間を用いて中間試験を行う(試験範囲は第13回講義分まで)。中間試験終了後、解答の解説を行う。試験の形式・評価基準など詳細は、10月上旬~中旬に説明する。 
16. 新制度論の概略1:新制度論登場の背景  行動科学主体の政治学から、各国の違いを説明する新制度論へと、政治過程論の中心が転換したことを概説する。また、その背景として、国と国とを「比較」することの重要性を議論する。 
17. 新制度論の概略2:3つの新制度論  新制度論の三つの大きな流れである、社会学的制度論・歴史的制度論・合理的選択制度論を概観し、現代の政治を分析する際の長所と短所を考える。 
18. 代表民主主義の比較政治制度論:総論  政策決定過程を、民主主義を実現させるための「委任と責任の連鎖」として捉え直し、それに関連して、「本人・代理人理論」を紹介する。また、制度同士の関連や、制度の優劣について、Lijphart (2012) を批判的に検討する。 
19. 比較政治制度論の各論1:選挙制度・政党組織・政党システム1  小選挙区制と比例代表制(あるいは大選挙区制)などに代表される選挙制度の違いが、各国の政治や政策の違いをどう説明するのか、これまでの研究を紹介する。 
20. 比較政治制度論の各論1:選挙制度・政党組織・政党システム2  選挙制度と政策過程の因果関係に関する理論は、どの程度現代の日本政治を説明できるか、検討する。 
21. 比較政治制度論の各論2:執政制度とリーダーシップ1  首相・大統領など、執政府のリーダーシップの強さは、そのような制度によって、あるいはその他どのような要因によって決まるのか。また、強い(あるいは弱い)政治指導者の下では、どのような政策過程がみられるのか、これまでの研究を紹介する。 
22. 比較政治制度論の各論2:執政制度とリーダーシップ2  執政制度とリーダーシップの因果関係に関する理論は、どの程度現代の日本政治を説明できるか、検討する。 
23. 比較政治制度論の各論3:議会と立法過程1  執政制度や議会制度の違いが、各国の実際の政策の違いをどう説明するのか、これまでの研究を紹介する。 
24. 比較政治制度論の各論3:議会と立法過程2  議会の制度と議会の機能の因果関係に関する理論は、どの程度現代の日本政治を説明できるか、検討する。 
25. 比較政治制度論の各論4:政官関係と官僚制1  執政制度や議会制度の違いが、各国の実際の政策の違いをどう説明するのか、これまでの研究を紹介する。 
26. 比較政治制度論の各論4:政官関係と官僚制2  議会の制度と議会の機能の因果関係に関する理論は、どの程度現代の日本政治を説明できるか、検討する。 
27. 政治学方法論3:定量的研究vs定性的研究  第4回に続き、方法論を論じる。すべての実証分析に共通するとKing, Keohane, Verba (1994) が主張する、良い推論のための指針を紹介する。つづいて、この議論に対する反論を紹介する。 
28. 講義のまとめとその先:「理論」と「方法」  これまでの講義をまとめ、これを踏まえて、本講義で扱えなかった内容や、「科学的な政治学」の限界について、簡単に紹介する。 
29. Q and A セッション  受講生から集まった質問の中から良質のものを選び、担当教員が解説を行う。 
30. 総括  これまでの講義を総括する。併せて、定期試験の対策を行う。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 政治学 補訂版  久米郁男他  有斐閣 
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 政治過程論  伊藤光利他  有斐閣 
2. 比較政治制度論  建林正彦他  有斐閣 
3. 政治行動論  飯田健他  有斐閣 
4. 民主主義対民主主義  Arend Lijphart (粕谷祐子・菊池啓一訳)  勁草書房 
5. その他、講義中に指定する。     
授業方法の形式
講義 
成績評価方法及び評価基準
・中間試験(30%)、定期試験(60%)、授業内小テスト(10%)。授業態度に問題がみられる場合は減点の対象にすることもある。

・正式な成績評価の方法・授業計画・注意事項等は、初回の講義にて配布する「詳細版シラバス」にて指示する。 
受講生へのメッセージ
政治過程論とは、政治の現状を科学的に分析する学問である。「科学」である以上、単に現実の政治を知る(暗記する)よりも、論理的に考えること(理論)と、現実を正しく認識すること(方法)・の2つが最も大事になる。講義のほとんどが理屈っぽい話になる。しかし、政治は人間の生々しい側面が最も現れる。どのようにして政治が行われるか知ることが、普段、複数の人と意思決定を行う場面(=広い意味での政治)での手助けになるかもしれない。 
参考URL
画像
ファイル
更新日時 2020/01/17 13:48


PAGE TOP