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科目名 応用生物化学実験2 
担当者氏名

濱本 博三

山口 秀明

全開講対象学科 農学部応用生物化学科
年次 2年次 
クラス
講義学期 後期 
単位数
必選区分 必修科目 
学期・曜日・時限  
部門 専門教育部門-専門教育科目群必修 
備考  



準備学習・事後学習
準備学習:指定したテキストや資料を利用し、各回の授業計画で示した項目を事前に読んでおくこと。あわせて、テキストに記載されている当日使用する試薬の性質や取扱方法を調べるとともに、使用する実験器具の扱い方と使用上の注意を調べておくこと。事後学習:実験中に示した重要事項ならびに演習問題を中心に全体の実験内容と併せて復習すること。毎回、実験時間の半分程度の自学自習をすること。 
課題・定期試験に対するフィードバック
レポートは後日返却し、返却時にフィードバックをおこなう。 
履修上の留意
1年生の時に学修した化学実験を復習し、よく内容を把握しておくこと。1回の実験は2時限連続で実施する。居眠り、遅刻、中抜け、途中退室など受講にふさわしくない行為は厳禁とする。 
授業の概要と目的
ベンゼンからニトロベンゼンを、また、ニトロベンゼンからアニリン・アセトアニリドを合成する。さらにアセチルサリチル酸からサリチル酸メチルを合成する。これらにより、有機化合物の合成、液体や固体有機化合物の精製、合成化合物の同定を行い、有機化合物に関する基本的な性質や取扱法および実験手法を理解することを目的とする。 
アクティブ・ラーニング
グループワークにより実験を行う。 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
本科目は、ディプロマポリシーの2、3における生物制御科学の分野およびカリキュラムポリシーの2に位置する。 
実務経験と授業内容の関係
該当事項なし 
科目ナンバリングコード
AB21503 
サブタイトル
有機化合物の合成・精製・同定 
到達目標
(1)有機化合物の基本的な性質・特性を知り、その取り扱いができる(知識・技能) (2)有機化合物の蒸留法・抽出法・ろ過・再結晶法などの基本操作を行える(技能) (3)融点測定やTLCなどにより有機化合物の同定ができる(技能) (4)有機化合物の中には引火性・毒性を有する化合物があり、その特有な取り扱いを安全にできる(思考・判断・技能) (5)基本的な有機合成反応の処方・反応条件(温度・触媒・撹拌など)・反応混合物からの精製法・反応機構を理解している(知識・理解) (6)実験の観察と結果を記録し、報告書(レポート)を作成することができる(技能・表現) 以上を到達目標とする。  
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. 安全教育と倫理教育、有機化合物の性質・特性と有機合成の基本操作  安全に実験を進めていくための諸注意、研究倫理について説明を行う。続いて、有機化合物の引火性・毒性などの諸性質、有機合成で使用する各種器具類の用途と取り扱い、有機化合物の精製における基本操作(蒸留・抽出・再結晶法)について説明する。 
2. 芳香族化合物の諸性質の確認とアニリン合成  芳香族化合物(ベンゼン・ニトロベンゼン・アニリン)の諸性質の確認を行い、ベンゼンからニトロベンゼンを合成する。続いて、ニトロベンゼンに濃塩酸とスズを加えて還元反応を行い、塩基を加えてアニリンを遊離させる。 
3. アニリンの精製(1):水蒸気蒸留  2日目の反応混合物の水蒸気蒸留を行い、留出液に酢酸エチルを加えて分液操作によりアニリンを有機層に抽出する。 
4. アニリンの精製(2):常圧蒸留  3日目の抽出液から酢酸エチルを留去した後に常圧蒸留を行い精製アニリンを得る。 
5. アセトアニリドの合成と精製  無水酢酸を用いてアニリンのアセチル化反応を行い、アセトアニリドを合成する。反応後得られた粗製のアセトアニリドは再結晶により精製する。 
6. アセトアニリドの融点測定と薄層クロマトグラフィーを用いる定性分析  アセトアニリドの融点測定を行う。あわせて、粗製・精製アニリンと粗製・精製アセトアニリドについて薄層クロマトグラフィー分析を行う。 
7. アセチルサリチル酸の単離  アスピリン錠からエタノール抽出および常圧蒸留によりアセチルサリチル酸を単離する。 
8. サリチル酸メチルの合成、総括  アセチルサリチル酸を加水分解し、サリチル酸を生じさせる。さらにサリチル酸をエステル化し、サリチル酸メチルを合成する。呈色反応および官能判定において合成した化合物を同定する。最後に実験全体のまとめを解説した後に使用した装置・器具・試薬の片付けを行う。 
9. 追加実験・補足実験  各実験の進捗状況や受講生の理解度により、予定の授業時間内に終わらない項目が生じたり追加実験や補足実験が必要になった場合は予備日を使用する。 
10. 補習実験講義  各実験の受講生の理解度により、補習実験講義が必要になった場合は予備日を使用する。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 続実験を安全に行うために  化学同人(編集部)  化学同人 
2. 実験書(配布する)     
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 農芸化学実験書第2巻  京大農(編)  産業図書 
授業方法の形式
実験(講義も含む) 
授業の実施方法
対面授業 
成績評価方法
実験に対する姿勢(40%)、実験技術の習熟度(30%)、実験内容の理解度(30%)をもとに総合的に評価する。
実験に対する姿勢は、実験に対する取り組み状況、試薬や器具の取り扱い、適切な服装・保護具の着用、予習状況により判断する。実験技術の習熟度は、提出サンプル、データ整理(レポート)、実験結果(レポート)により判断する。実験内容の理解度は、課題に対する回答(レポート)、結果に対する考察(レポート)により判断する。 
成績評価基準
C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。 
受講生へのメッセージ
実験を受ける前に、すでに学んだ芳香族炭化水素やその関連化合物、さらに塩酸・硫酸・水酸化ナトリウムなどの性質を復習しておくこと。今までの教科書などで知っている知識を実験で学び取る姿勢を持つこと。また、実験を開始する前に実験書などで十分な準備をすること。実験目的を把握し、実験中は五感を働かせて実験経過を観察すること。実験は、進行状況などに応じて細かな変更がなされる可能性もあるため、内容説明の際には集中すること。最後に、化合物が得られたら終了ではなく、得られた結果の意義を検証すること。 
参考URL
1. 適宜指示する   
画像
ファイル
更新日時 2024/02/05 09:21


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