準備学習・事後学習
|
|
高校の教科書などを参考にし,17世紀以降のヨーロッパの歴史の流れを大まかに掴んでおくこと。 講義で取り上げられる作品に必ずしも目を通す必要はありませんが,個々の作家については事前に下調べをしておくこと。 毎回のコメントペーパーについては,次の授業内で講評します。また,最終のレポートに関する質問等には個別に対応します。 毎回、講義時間の2倍の自学自習が求められます。
|
|
|
課題・定期試験に対するフィードバック
|
|
小テストやレポートについての質問等はオフィスアワーにて個別に対応します。
|
|
|
履修上の留意
|
|
遅刻をしないこと。30分以上の遅刻は欠席と見なします。 また,正当な理由(体調不良など)なくして途中退席はしないこと。
|
|
|
授業の概要と目的
|
|
この講義ではヨーロッパ,とりわけ西ヨーロッパが対象となります。18世紀から20世紀前半までに書かれた文学作品を手がかりに,その当時のヨーロッパ人の感情や認識,行動などをあらかじめ方向づける,どのような「枠」がはめられていたかを検証します。
|
|
|
アクティブ・ラーニング
|
|
各受講者には,毎回「今日の一語」として講義で印象に残った一語とその理由を記したコメントペーパーを提出してもらいます。また,講義に関する質問も歓迎します。次の講義でそれについて講評,回答します。
|
|
|
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
|
|
本授業は、S科:CP1・4DP1・3 E科:CP1・4DP1 情報工学部CP1・4DP1 に該当する
|
|
|
実務経験と授業内容の関係
|
|
|
|
科目ナンバリングコード
|
|
S科:SS20014 E科:TE20014 情報工学部JJ20014
|
|
|
サブタイトル
|
|
文学作品の中に,特定の歴史的・社会的情況の構築物としてのヨーロッパ文化を跡づける
|
|
|
到達目標
|
|
この講義が受講者各自にとって世界の中で自らの立つ位置を内省するための縁(よすが)となるよう考えています。また、これらを通して多面的、かつ論理的に物事を考える能力を涵養します。
|
|
|
授業計画
|
|
| |
|
【項目欄】
|
【内容欄】
|
|
1.
|
「解釈」ということ
|
この講義「欧米文化論」の前置きとして,「文化というテクスト」の解釈について触れる。
|
|
2.
|
『ロビンソン・クルーソー』(1)
|
ダニエル・デフォーの小説『ロビンソン・クルーソー』が刊行以来,時代に応じどのように受容されてきたかを検証する。
|
|
3.
|
『ロビンソン・クルーソー』(2)
|
この作品の分析を通じ,主人公ロビンソンの様々な捉え方(「逃走するロビンソン」,「孤立の人ロビンソン」など)を検討する。
|
|
4.
|
『ロビンソン・クルーソー』(3)
|
従来支配的であった合理的経済人・禁欲的労働者としてのロビンソン像と,「逃走し孤立するロビンソン」,「宗教的ロビンソン」,「暴力的ロビンソン」といった一面を対比し,新たなロビンソン像を提示する。
2~4のレベル:この作品と近代主権国家誕生を関係づけることができる。
|
|
5.
|
怪談或は幽霊物語(1)
|
日本の怪談(上田秋成『雨月物語』)とヨーロッパの怪談(クライスト『ロカルノの女乞食』)を例にとり,文学に登場する幽霊(或は妖怪)がどんな存在であるか検証する。それとともに,ヨーロッパ人が自然とどう関わってきたかを概説する。
|
|
6.
|
怪談或は幽霊物語(2)
|
ヨーロッパの怪談の一例として,クライスト『ロカルノの女乞食』とヘーベル『奇妙な妖怪ばなし』を取り上げ,分析する。
5~6のレベル:啓蒙主義と幻想文学の関係を説明することができる。
|
|
7.
|
『モンテ・クリスト伯』(1)
|
アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』の刊行時(19世紀中頃)がいかなる時代であったかを概説する。
|
|
8.
|
『モンテ・クリスト伯』(2)
|
この作品の分析を通じ,主人公モンテ・クリスト伯がどのような人物として描かれているかを検証する。
|
|
9.
|
『モンテ・クリスト伯』(3)
|
作品中の「電報」と「馬車」に着目し,この時代において情報とスピードの持つ意味を検証する。
7~9のレベル:この作品と勃興しつつある資本主義を関係づけることができる。
|
|
10.
|
探偵の物語(1)
|
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』所収の短篇のうち『赤髪連盟』を例に,ミステリとはいかなる物語であるかを検証する。
|
|
11.
|
探偵の物語(2)
|
ホームズ物語を中心にミステリの成立史を概説する。
|
|
12.
|
探偵の物語(3)
|
ホームズ物語『まだらの紐』などの分析を通じ,「探偵」とはいかなる存在であるかを跡づける。
|
|
13.
|
探偵の物語(4)
|
『まだらの紐』とポーの『モルグ街の殺人』の比較に基づき,ヨーロッパと非ヨーロッパ世界がホームズ物語にどのように描かれているかを考察する。
10~13のレベル:ホームズ物語と西欧帝国主義を関係づけることができる。
|
|
14.
|
西洋の成熟或は没落(1)
|
トーマス・マンの小説『魔の山』に描かれる時代(20世紀初頭)がいかなる時代であったかを検証する。
|
|
15.
|
西洋の成熟或は没落(2)
この講義のまとめ
|
トーマス・マン『魔の山』を通し,ヨーロッパ19世紀の成熟と終焉を考察する。
14,15のレベル:この作品に表われたヨーロッパ近代の位置づけを説明することができる。
|
|
|
|
テキスト
|
|
| |
|
【書籍名】
|
【著者】
|
【出版社】
|
|
1.
|
テキストはありません。講義資料をプリントで配付します。
|
|
|
|
|
|
参考文献
|
|
| |
|
【書籍名】
|
【著者】
|
【出版社】
|
|
1.
|
ロビンソンの砦
|
岩尾龍太郎
|
青土社
|
|
2.
|
ドラキュラの世紀末
|
丹治愛
|
東大出版会
|
|
3.
|
探偵小説の社会学
|
内田隆三
|
岩波書店
|
|
4.
|
数量化革命
|
A.W.クロスビー(小沢千重子訳)
|
紀伊国屋書店
|
|
5.
|
19世紀パリ・イマジネール 馬車が買いたい!
|
鹿島茂
|
白水社
|
|
|
|
授業方法の形式
|
|
|
|
授業の実施方法
|
|
|
|
成績評価方法
|
|
4回実施の小テスト総計を60%,学期末のレポートを40%として評価し,100点満点中60点以上を合格とします。
小テスト(60%):2〜4講,5〜6講,7〜9講,10〜13講の各シリーズにつき,講義内容の理解度を確認します。 レポート(40%):与えられた課題に基づき,具体的な例を挙げながら独自の見解をまとめられるかを評価します。
|
|
|
成績評価基準
|
|
C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要です。
|
|
|
受講生へのメッセージ
|
|
「文化は多様な形を取りうる」と自覚はしていても,私たちの視線は既に「内なる日本」に浸透されているので,往々にして自らの文化のコンテクストの中でのみ他者の文化を理解しがちです。その「内なる日本」に気づくことが,他の文化をより深く理解する,ひとつの契機になりうるということを認識してください。
|
|
|
参考URL
|
|
|
|
画像
|
|
|
|
ファイル
|
|
|
|
更新日時
|
|
2024/02/26 17:32
|