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科目名 食品経済学 
担当者氏名

平児 慎太郎

全開講対象学科 農学部生物資源学科
年次 3年次 
クラス A・B 
講義学期 後期 
単位数
必選区分 選択科目 
学期・曜日・時限  
部門 専門教育部門-専門教育科目群選択 
備考  



準備学習・事後学習
この講義の履修にあたり、生物生産経営学、農政学、生物資源経済学などの関連科目を履修し(または履修する予定である)、当該領域を体系的に修得しようとすることが望ましい。
指定教科書を購入し、毎回講義の前に予めアウトラインを掴んでおくこと。
毎回、講義時間の2倍の自学自習が求められている。
そこで、準備学習、および事後学習として要点整理などに時間を割く必要がある。
それぞれ具体的に取り組むべき事項として、例えば
準備学習:
事前に前回までの内容を確認し、WebClassにて講義資料を取得する。
具体的には、事前に配付された講義資料のうち「キーワード」の確認と下調べ、最終的な論点となる「今回の講義で確認しておくべきポイント」のページの確認を行うこと。
これらを確認することで、講義当日に注意を払うべき点を予め知ることができる。
事後学習:
ノートの整理と「今回の講義で確認しておくべきポイント」に対する解を考えること。
適宜参考文献を用いると効率的かもしれない。
また、改めて全体の内容の整理を行う必要がある(これが準備学習のベースになるため、事後学習と事前学習が循環する仕組み)。
本講義は前回の内容に積み上げていく展開になることが多く、準備学習と事後学習がシームレスに繋がっているため、平素から地道に学習する習慣づけが求められる。
また、講義中は静粛にし、必要事項などは適宜メモを取ること。
フィードバック:
個別対応が必要な場合は演習の途中で随時対応するとともに、試験の講評など全体で情報を共有すべき場合は[学生ポータル]→[講義連絡]等を利用する。 
課題・定期試験に対するフィードバック
履修上の留意
講義に対するモチベーションを維持しつつ、講義内容を深く理解するため、食生活の変化や外食産業の動向、農業の6次産業化、農商工連携、昨今の食品偽装表示、遺伝子組み換え食品といった食を取り巻く諸問題に高い関心を持っていることが望ましい。 
授業の概要と目的
農業・食品産業を取り巻く様々な経済問題を、川下(消費者)側から光を当て、ミクロ経済学やフードシステム論の枠組みを用いて解説する。具体的には、食生活の変化、外食産業の動向といった伝統的なフードシステム論の論点に加えて、農業の6次産業化、農商工連携「食の安全」について制度、技術的な取り組み、主体間に存在する利害対立、「情報の不完全性」、「情報の非対称性」等の観点からアプローチを図り、望ましいフードシステムを確立するために政府、企業、農家や研究者、あるいは消費者が果たすべき役割とは何か、について展望する。本講義の担当者は国立の研究機関にて農業経済分野の研究者として所属した。政策実務や研究実務のスキルを活かし、政策や実態、研究遂行を踏まえて講義する。学部ならびに学科の学位取得方針(DP)第2項に定める「高度で幅広い専門知識と基本的な解析技術(「学問的枠組み」と読み替え)」を修得、発揚することを旨とする。開講年次やカリキュラム全体に占める位置づけなどを勘案し、特にadvancedな内容を積極的に盛り込む。また、学部ならびに学科の教育課程編成方針(CP)第2項に定める「自ら学ぶ力の養成」に該当する。
(実務経験と授業内容との関連)国立の研究機関にて農業経済分野の研究者として所属した。政策実務や研究実務のスキルを活かし、政策や実態、研究遂行を踏まえて講義する。
(科目ナンバリングコード:AA31504) 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
実務経験と授業内容の関係
科目ナンバリングコード
サブタイトル
フードシステム論 
到達目標
農業、食品産業を取り巻く経済問題への問題意識を持ち、その体系的な理解を深める。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. イントロダクション  この講義で扱う対象、使用するテキストの概要について触れ、「食品経済学」のパラダイムを整理する。
また、予め経済学に対してどの程度の基礎知識を持っているか、ヒアリングや小テストを行う場合がある。 
2. フードシステムとは何か?  本講義のkeywordである“フードシステム”という概念について解説するとともに、それがどのように成立、発展し、社会においてどのように位置づいているのかを整理する。 
3. 食生活の変化(1)  わが国の食生活の変遷、家計や世帯、世代ごとに見た食生活の特徴について整理、検証する。
また、食品に限らず様々な商品は、世代、時代の差異によりその消費やロイヤリティが異なる場合がある。
これを解明する手法として“コゥホート分析”がある。具体的な事例を検証、考究する。 
4. 食生活の変化(2)  さらに、食品の経済的位置づけの変化、弾力性概念の理論的な枠組みについて解説する。
また、実際に農林水産省が計測した弾力性の結果を用いて考察する。 
5. 食の外部化  食の外部化をもたらした要因と課題、外食産業の動向と課題について整理する。
とりわけ1990年代以降、食の外部化の核心部分は外食から中食(例:コンビニエンスストア、宅配ピザ)へと急速にシフトしている。
このような業態の外食産業はPOSの情報端末から得られたデータをデータベース化することで小売段階のみならず流通段階全体に対して影響力を強めている。 
6. 消費者の意思決定と価格(1)  マーケティング、とりわけ消費者行動論において、価格概念は多義的であり、理論的な厳密さという面では経済学に劣るものの、実体験と照らし合わせて考究するときわめて興味深い点が多い。
これらを整理すると、価格というバロメーターに対する消費者の認識や反応が明らかになる。
裏を返せば、消費者の認識や反応を踏まえ、食品企業や小売店による商品ラインナップや価格設定をすべきか、といった商品企画や商品戦略の核心部分が見えてくる。
こうした点について考究する。 
7. 消費者の意思決定と価格(2)  さらに、前回の内容を補足、発展させる。
具体的には、価格反応関数との関係から、価格と購買という消費者行動を精査する。 
8. 食品関連産業の動向と市場構造  食品関連産業の動向と課題について整理する。
特に食品(食料品)の品目ごとにその市場構造、特に大手4社の市場シェア(CR4)の水準や参入している企業数との関係について検証する。 
9. 農業の6次産業化と農商工連携の取組  農業の6次産業化、および農商工連携の違い、具体的な取組などからその可能性と問題を探る。 
10. 食の安全の経済分析(1)  HACCPやGAP等食の安全に関わる制度や規範の枠組み、その実態や導入事例等について解説する。
さらにその経済的な効果、市場における認知(評価)について検証する。
(GAP関連項目) 
11. 食の安全の経済分析(2)  CVMや選択型コンジョイント分析を用いた、食の安全の経済評価に関する研究成果を示しながら、モデル、および計測結果の例を通じ、食の安全の経済評価について解説する。
(GAP関連項目) 
12. 食の安全を取り巻くコンプライアンスとリスクコミュニケーション  コンプライアンスとリスクコミュニケーション 食の安全を確保するため、政府、企業、農家や研究者、あるいは消費者はどのような責任を担うべきか、また様々なリスクを克服するため、何が必要かについて解説する。 
13. フードシステムと政府の役割(1)  食の安全を巡る政府、企業、農家や研究者、あるいは消費者など主体間に存在する利害対立、「情報の非対称性」について解説する。 
14. フードシステムと政府の役割(2)  市場原理の過度な適応による「市場の失敗」に対する政府の介入、政府の過度な介入による「政策の失敗」を通じ、政府は何をすべきか、理論的な枠組みを提示する。
「市場の失敗」と「政策の失敗」を踏まえ、政府は食の安全を確保するため、何をすべきかを考究する。
また、“レントシーキング”をの食の安全に投影しつつ、その発生のメカニズム、問題点等についても言及する。 
15. 総括と学習効果の確認・検証  これまでの講義内容について総括し、学習効果を確かめる。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 「フードシステムの経済学」最新版(現時点では第6版が最新)  時子山ひろみ・荏開津典生・中嶋康博  医歯薬出版 
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 「食品安全問題の経済分析」  中嶋康博  日本経済評論社 
授業方法の形式
スライドを使った講義形式 
成績評価方法
定期試験のスコアを重視(100%)する。出席は受験資格をチェックするために用いるが、私語をやめないなどの妨害行為、代返が発覚した場合には失格などの厳しい罰則を科す。C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。 
成績評価基準
受講生へのメッセージ
21世紀は「食の安心、安全」が揺らぐ事件で幕開けした、といっても過言ではない。
今日、様々なメディアで食の安全について取り上げられるなど、その関心が高まりを見せている。
このような社会の動きに気を配りながらこの講義を受講していただき、食の安全を確保するため、政府、企業、農家や研究者、あるいは消費者が果たすべき役割とは何か、について考える機会となれば幸いである。 
参考URL
画像
ファイル
更新日時 2021/02/10 13:40


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