シラバス参照

科目名 生物資源学実験2 
担当者氏名

荒川 征夫

上船 雅義

黒川 裕介

兒島 孝明

鈴木 康生

津呂 正人

平野 達也

藤原 和樹

武藤 将道

森上 敦

塚越 啓央

全開講対象学科 農学部生物資源学科
年次 2年次 
クラス
講義学期 後期 
単位数
必選区分 必修科目 
学期・曜日・時限  
部門 専門教育部門-専門教育科目群必修 
備考  



準備学習・事後学習
実験に先だち「生物資源学実験テキスト」の関連項目によく目を通しておくこと。実験終了後、実験課題ごと実験結果を取りまとめたレポートの提出が必要となる。論点をよく整理してレポートを作成すること。
毎回、実験・実習の半分の自学自習が求められます。 
課題・定期試験に対するフィードバック
レポートは指摘事項を添えて返却する場合があります。その場合にはコメントをよく確認して、今後のレポート作成に活かせるようにすること。また、書き直しを指示されている場合は、速やかに書き直しに応じ、スキルアップするよう努めるようにすること。 
履修上の留意
生物資源学実験は3・4限目に開講されるが、4限目終了時までに授業が終了しない場合があるので、5限目以降の時間も予定を空けておくこと。実験の授業は原則として欠席・遅刻は一切認めないので、すべての実験に出席しなければ欠格となる。ただし、忌引きや課外活動による公欠、感染症などでの病欠は認める場合があるので、その場合は欠席する旨を担当教員に事前に連絡し、事後にはそのことを証明できる書類を提出すること。また、出席をしていても、期日までにレポートを提出しなければ、欠格となるので注意をすること。一部の実験課題は、並行して開講される「農場実習Ⅰ・Ⅱ」と連携して実施されるので、農場実習Ⅰ・Ⅱも同様に欠席をしないこと。 
授業の概要と目的
生物生産・遺伝育種・生物保護・生命科学に係わる基礎的な実験技術と理論を習得することが目的である。そのため、実際に栽培植物を育成し、また農業現場から解析試料を採取して解析することで、学生が主体的に技術・理論を学ぶことができるように実験課題が設定されている。実験結果はレポートとしてまとめるが、その際に科学者として心得ておくべき倫理についても習得することを目的とする。 
アクティブ・ラーニング
実験であるため、班員並びに教員と随時議論しながら進める。 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
本科目はCP2、DP2学系共通およびDP3に位置する。 
実務経験と授業内容の関係
特になし 
科目ナンバリングコード
AA21117 
サブタイトル
生物生産・遺伝育種・生物保護・生命科学に係わる基礎実験 
到達目標
生物資源の生産、開発ならびに利用に関する基礎的な解析手法を習得し、さらに、実験によって得られた結果を正しく評価して図表にまとめて、文章で説明できる能力を身につける。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. 実験ガイダンス(荒川・森上・平野・鈴木(康)・津呂・黒川・兒島・藤原・武藤・上船・塚越)  生物資源学実験を履修するにあたっての注意点、成績評価方法およびレポートの作成方法を説明する。また、研究を遂行する上での倫理についても解説する。 
2. 組織培養1(津呂)  植物の分化全能性とはいかなるものかを観察を通して理解する。1回目は培地作りを行う。試薬の混合やpHの調整を行うことで、培地成分と機能を理解し、滅菌操作を行うことでその意味を理解する。 
3. 組織培養2(津呂)  2回目は無菌操作と植え付けを行い、培養技術を技術を習得する。また、観察を通して全能性を理解する。最後に一つの論文として実験成果を取りまとめる。 
4. 昆虫の生態1(武藤)  昆虫の生態を解析することを目的とする.材料に昆虫を使用し,実験を行う.この実験では簡単な統計処理を行うため,実験の設計を考え,反復回数を確保し,統計処理後のレポート表現を重視する. 
5. 昆虫の生態2(武藤)  同じく,材料に昆虫を使用し,生態に関連した実験を行う.統計処理を行うため,実験の設計を考え,反復回数の重要性を理解し,統計処理後のレポート表現を工夫する. 
6. 分子生物学実験1 (兒島)  DNA取り扱いの基本となるプラスミドベクターを正確に取り扱うため、大腸菌を形質転換・培養する方法を習得する. 
7. 分子生物学実験2(兒島)  DNA取り扱いの基本となるプラスミドベクターの調製方法を習得し、遺伝子のプロモーター、コード領域等の要素について理解を深める. 
8. 分子生物学実験3 (兒島)  大腸菌を用いてプラスミドベクター上の遺伝子を組換えるための基礎的技術及び、目的通りの組換えを確認する技術を習得する. 
9. 分離・分析実験1(平野)  植物試料中の成分分析実験として、デンプン含量の定量を行う。初日は、採取した試料の生体重を測定し、磨砕・抽出から分画までの操作を行う。 
10. 分離・分析実験2(平野)  分画した試料を用いて酵素法により分光光度計を用いてデンプン含量を定量する。また、定量に必要な検量線を作成する。さらに、結果のまとめ方を説明し、考察のポイントを解説する。 
11. 微生物学実験3(荒川)  発病した植物の組織から病原体の分離培養を実施する。症状が進行した植物組織に存在する二次感染菌(雑菌)の混入を回避し、病原体のみを純粋培養するための理論と技術を学ぶ。 
12. 微生物学実験4(荒川)  植物組織における病原体の感染構造を顕微鏡観察により検出する。特に植物と病原菌それぞれの細胞壁の化学組成の違いに着目し、組織染色あるいは蛍光染色を実施し、植物診断のための基本的な技術を学ぶ。 
13. 生物化学実験1(森上)  イネ発芽種子から調整した酵素の酵素活性を測定する実験を通じて、酵素の取り扱い方を学ぶ。 
14. 生物化学実験2(森上)  附属農場で収穫された2種のイネ種子中のタンパク質の組成を比較するために、イネ種子からタンパク質試料を調製する。 
15. 生物化学実験3(森上)  SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いて、イネ種子等のタンパク質試料を解析する。 
16. 生物化学実験4(森上)  イネ発芽種子に含まれるタンパク質および酵素の解析により、イネ発芽時に起きる出来事について理解を深める。 
17. 昆虫と植物の相互作用1(上船)  植食者による食害が植物の花外蜜量の変化に及ぼす影響を調べるための実験処理を行う.また,植物防衛に関与する植物ホルモン様物質が植食者のパフォーマンスに与える影響を調べるための実験処理も行う. 
18. 昆虫と植物の相互作用2(上船)  食害を受けた植物と受けていない植物の花外蜜量を測定する.また,植物防衛に関与する植物ホルモン様物質を処理した植物と処理していない植物上の植食者の生存と産卵数を調べる.さらに,植食者が植物の香りを用いて餌を探索しているかどうかを風に対する反応行動を観察して調べる.得られたデータはt検定,Fisherの正確確率検定,二項検定などの統計的手法で検定し,これらの検定結果を加えたグラフを作成する. 
19. 青果物の収穫後生理1(鈴木(康))  農場実習 I ・II のプロジェクト実習において栽培・収穫した果実を材料として、果実の品質(果肉硬度、可溶性固形物含量、滴定酸含量)の評価を行うとともにプレクライマクテリックステージの果実にエチレンによる追熟処理をおこなう。 
20. 遺伝学実験1(塚越)  ポリメラーゼ連鎖反応を利用して、生物の遺伝子型の決定をおこなう。附属農場で生育した植物材料からの核DNA試料調製と耐熱性DNAポリメラーゼを利用したDNA増幅をおこなう。 
21. 遺伝学実験2(塚越)  ポリメラーゼ連鎖反応を利用して、生物の遺伝子型の決定をおこなう。アガロースゲル電気泳動法を用いて増幅したDNAを解析し、植物の遺伝子型を決定する。 
22. 青果物の収穫後生理2(鈴木(康))  エチレンによる追熟処理をした果実の品質(果肉硬度、可溶性固形物含量、滴定酸含量)の評価をおこなうとともに、追熟の生理を考察する。 
23. 収量調査1(黒川)  農場実習 I ・II のプロジェクト実習において栽培・収穫した一株植え付け苗数の異なるイネ株を実験材料として、それらの精玄米収量を一株穂数、一穂籾数、登熟歩合および精玄米一粒重の四要素に分けて測定する。それぞれの収量構成四要素に及ぼす一株植え付け苗数の影響を調査する。 
24. 収量調査2(黒川)  前回測定したそれぞれの収量構成四要素の施肥の有無および一株植付苗数による違いを統計的手法(HSDテスト)で検定する。それら四要素相互間の関係および各要素と収量の関係を統計的手法(相関係数)で検定する。そして、レポートの書き方についても詳細に解説によって習得する。 
25. 微生物学実験1(藤原)  土壌に含まれる微生物を定量するため、実際の試料を用いたコロニー形成単位(CFU)の測定を行う。1日未満の培養で肉眼検出が可能なコロニー形成にまで達する増殖の速さを認識するとともに、食品等への微生物の混入がいかに危険であるかを理解する。 
26. 微生物学実験2(藤原)  細菌の分類同定の基本となるグラム染色法を修得する。外部形態だけでなく細胞壁表層に存在するペプチドグリカン層、莢膜等の組成差を顕微鏡観察を併用して確認し、本法が細菌分類の第一ステップとして衛生学・病理学・食品微生物学等の幅広い分野の基本であることを理解する。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 生物資源学実験テキスト  生物資源学科教員   
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. Essential細胞生物学  中村桂子・松原謙一  南江堂 
授業方法の形式
実験 
授業の実施方法
対面で実験を実施 
成績評価方法
レポート:80%、実験の実施態度:20%
実験終了後、実験課題ごとに提出されたレポートに関しては内容を重視した成績評価を行う。レポートの未提出が1回でもあれば、欠格となる。なお、実験の欠席・遅刻は原則として一切認めないので、正当な理由なく欠席・遅刻をした場合には欠格となる。 
成績評価基準
C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。基準に満たないレポートが提出された場合には、再提出を求めたり、期限内に提出されても60点未満の評価となることがある。 
受講生へのメッセージ
実験授業中は積極的に実験操作や測定に取り組むようにしてください。傍観者にならないこと。実験ノートを準備してください。内容確認を行う場合があります。レポート作成の際には、他人にわかりやすく結果や意見を示すことを意識して下さい。 
参考URL
1. 特になし   
画像
ファイル
更新日時 2024/01/16 18:06


PAGE TOP