シラバス参照

科目名 国際経済論 
担当者氏名

名和 洋人

全開講対象学科 理工学部数学科
理工学部材料機能工学科
理工学部応用化学科
理工学部社会基盤デザイン工学科
理工学部環境創造工学科・環境創造学科
理工学部建築学科
年次 3年次 
クラス  
講義学期 後期 
単位数
必選区分 選択科目 
学期・曜日・時限  
部門 総合基礎部門-総合基礎科目 
備考 本授業では、100点満点中60点以上を合格とする。本授業の対応する学習・教育到達目標 Z科:F2、C科:A 



準備学習・事後学習
事前学習として日ごろから、新聞・雑誌・テレビニュース・インターネットニュースサイトに目を通し、現代アメリカ経済の実情について、知識を増やす努力をすること。毎回、講義予定箇所を把握して、事前にテキストを読んで予習したうえで講義にのぞむこと。授業後も事後学習として、復習が必要である。その際は、テキストや授業で配布するハンドアウト(レジュメ)を適切に活用すること。なお、これら準備学習と事後学習には、それぞれ各回の講義時間の2倍以上の時間(すなわち4時間以上)をあてる必要がある。 
課題・定期試験に対するフィードバック
課題・定期試験・期末レポートについては、講評をおこない掲示する(WebClassを利用する場合もある)。 
履修上の留意
本年度は指定テキストに沿って展開していく予定である。シラバスもテキストを踏まえて明示した。参考文献について講義中に指示することがある。
なお、授業連絡、資料配布、課題提出等については、WebClassを使用する可能性も有るので、注意してほしい。 
授業の概要と目的
本講義では、主として1990年代以降現在までのアメリカ経済を取り上げる。わが国の経済は、アメリカ経済の動向と密接に関連しているためである。具体的には、冷戦後にアメリカ経済が復活し、「唯一の超大国」が出現したこの間の展開を踏まえつつ、2008年以降の世界的金融危機と国際秩序の多極化、さらにオバマ政権の経済政策などについて言及していきたい。なお、オバマ政権は連邦議会との対立を深め、その政権運営上の障害は大きかった。このような苦境の背景には、どのような政治経済的要因があるのだろうか。本講義ではこの点にも注目したい。また2017年に成立したトランプ政権、さらに2021年に成立したバイデン政権の経済政策についてもとりあげたい。以上を通して、資本主義経済が抱える光と影の理解を目指す。 
アクティブ・ラーニング
特になし 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
本授業は、J科:CP1・4DP1 E科:CP1・4DP1 M科:CP1・4DP3 T科:CP1・4DP1 R科:CP1・4DP3 に該当する 
実務経験と授業内容の関係
科目ナンバリングコード
J科:TJ30006 E科:TE30006 M科:TM30006 T科:TT30006 R科:TR30006  
サブタイトル
「自由の国」アメリカにおける連邦政府の位置 
到達目標
アメリカ経済を、政治経済学的に理解できるようになる。また、これらを通して多面的、かつ論理的に物事を考える能力を涵養する。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. 開講ガイダンス

(レベル1:アメリカ経済を捉える) 
アメリカ経済論をなぜ学ぶのか概説する。また、講義の全体計画と、受講にあたり特に注意して聞くべき点を明示する。 
2. 国内経済情勢――アメリカ経済は復活したのか

(レベル1:アメリカ経済を捉える) 
●1990年代以降のアメリカ経済の特徴 ●「ニューエコノミー」と「ITバブル」:1990年代 ●住宅バブルの形成:2000~2006年 ●金融危機から新型コロナショックへ 
3. 対外経済関係――経常収支赤字の持続と通商政策のゆくえ

(レベル1:アメリカ経済を捉える) 
●アメリカの国際収支 ●対外経済政策とは何か ●ポスト冷戦期の対外経済政策 
4. 産業構造の変化――続く産業構造高度化、加速する雇用と地域の分極化

(レベル1:アメリカ経済を捉える) 
●産業大国アメリカの変貌(製造業の衰退と経常収支の赤字化) ●製造業大国からサービス業大国へ(1980年代) ●IT投資による復活と新産業の創出(1990年代) ●企業のグローバル展開の加速と国内産業の停滞(2000年代) ●イノベーション・富裕層依存の産業構造高度化とその問題点(2010年代) 
5. 雇用構造の変化――経済の再編と格差社会

(レベル1:アメリカ経済を捉える) 
●所得格差の実態 ●株式市場における富の創出 ●「中産階級」の崩壊 ●クリエイティブ・クラスと社会の分断

レベル1(1―5講):上記項目を充分に理解し、それに基づき実際的な運用ができる。 
6. 政治システム――分断されたアメリカの構図

(レベル2:政治・政策を捉える) 
●アメリカ政治システムの特徴(大統領制と連邦議会) ●政策形成プロセス ●保守とリベラルの政策対立の構図 ●ポピュリズムの台頭と分極政治 ●分断されたアメリカのゆくえ(バイデン政権の課題) 
7. 財政政策――巨額の財政赤字をどうするのか

(レベル2:政治・政策を捉える) 
●アメリカ連邦財政の歴史的推移と基本構造 ●予算編成過程とその特質 ●財政改革をめぐる保守とリベラルの対立 ●新型コロナ対策と「大きな政府」への転換? ●財政赤字の持続可能性 
8. 医療保障政策――”オバマケア”による変化と限界

(レベル2:政治・政策を捉える) 
●アメリカが抱える医療保障をめぐる二大問題 ●医療保障改革(オバマケア)の主な内容 ●医療保障改革(オバマケア)の意義と限界 ●アメリカ医療保障のゆくえ 
9. 移民政策――移民労働力の重要性と深まる党派対立

(レベル2:政治・政策を捉える) 
●アメリカにおける移民政策の歴史 ●アメリカ経済にとっての移民労働力 ●移民政策をめぐる対立構図とその変化 ●トランプ政権の移民政策 
10. 金融政策――伝統的金融政策のゆらぎ

(レベル2:政治・政策を捉える) 
●金融制度の確立 ●金融政策の展開と金融自由化 ●「ニューエコノミー」下の金融政策とプルーデンス政策 ●金融危機と金融政策のゆくえ 
11. エネルギー政策――エネルギー自立から気候変動対策へ

(レベル2:政治・政策を捉える) 
●エネルギーと環境をめぐる歩み ●オバマ民主党政権期(2009-2017年) ●トランプ共和党政権期(2017-2021年) ●バイデン民主党政権の始動(2021年-)

レベル2(6―11講):上記項目を充分に理解し、それに基づき実際的な運用ができる。 
12. 1930-1940年代のアメリカ経済(1)1929年大恐慌からニューディール政策へ

(レベル3:経済における政府の役割を歴史的に理解する) 
●発展する1920年代、●1929年大恐慌とそのインパクト、●1932年大統領選挙(フーバー対ルーズベルト)にみる両候補の景気対策、●ニューディール政策の開始、●連邦政府による経済への介入強化、●国内経済優先のなかで(通貨安定の軽視と世界経済会議の破たん)、●1930年代後半におけるケインズ型財政政策の本格採用、 
13. 1930-1940年代のアメリカ経済(2)ニューディール期の財政政策とその結果

(レベル3:経済における政府の役割を歴史的に理解する 
●政府支出の膨張、●租税構造の変化、●アメリカ国債の大量発行●ルーズベルトの景気回復構想に見る購買力問題、●購買力創出のための所得再分配政策の推進(税制改革)、●所得上位層貯蓄の有効需要への転化、●不十分な財政支出と失業率の高止まり、●ナチスの「成功」とニューディールの「失敗」、 
14. 1930-1940年代のアメリカ経済(3)第二次大戦期の経済とパックスアメリカーナの形成

(レベル3:経済における政府の役割を歴史的に理解する 
●第二次大戦の経過概要、●1939年のヨーロッパでの開戦とアメリカの再軍備、●産業動員体制の成立、●戦時経済成長、●失業率1%台(完全雇用時代の到来)、●豊富な資源と生産力の拡大(連合国の兵器庫として)、●イギリスへの軍需物資支援とその果実、●戦後のイギリス・ポンド圏解体とドル体制の確立、●労使関係の変遷(ニューディール期・戦時期・戦後期)

レベル3(12―14講):上記項目を充分に理解し、それに基づき実際的な運用ができる。 
15. 総括

(レベル4:日本と世界からみるアメリカ経済) 
講義全体をまとめます。さらに日本と世界にとってアメリカ経済はどのような位置・関係にあるのか概説します。

レベル4(15講):上記項目を充分に理解し、それに基づき実際的な運用ができる。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 現代アメリカ政治経済入門(2021)  河崎、河音、藤木 編  ミネルヴァ書房 
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 資本主義的グローバリゼーション:影響・抵抗・オルタナティブ(2015)  マーティン・ハート=ランズバーグ  高菅出版 
2. 現代アメリカ経済(2003)  河村哲二  有斐閣 
3. アメリカ政治経済論(2012)  藤木剛康編  ミネルヴァ書房 
4. 現代アメリカ経済史(2017)  谷口明丈・須藤功 編  有斐閣 
5. 現代アメリカ経済論:新しい独占のひろがり(2023)  大橋陽・中本悟 編  日本評論社 
授業方法の形式
講義 
授業の実施方法
対面授業 
成績評価方法
定期試験(100%) 
成績評価基準
C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。 
受講生へのメッセージ
皆さんが将来活躍する社会がどのようなものか、考えてみませんか? 
参考URL
画像
ファイル
更新日時 2023/12/22 09:33


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