シラバス参照

科目名 アメリカ経済論 
担当者氏名

名和 洋人

全開講対象学科 経営学部国際経営学科
年次 2年次 
クラス  
講義学期 後期 
単位数
必選区分 選択必修科目 
学期・曜日・時限  
部門 専門教育部門-国際経営・経済学部門 
備考  



準備学習・事後学習
事前学習として日ごろから、新聞・雑誌・テレビニュース・インターネットニュースサイトに目を通し、現代アメリカ経済の実情について、知識を増やす努力をすること。毎回、講義予定箇所を把握して、事前にテキストを読んで予習したうえで講義にのぞむこと。授業後も事後学習として、復習が必要である。その際は、テキストや授業で配布するハンドアウト(レジュメ)を適切に活用すること。なお、これら準備学習と事後学習には、それぞれ各回の講義時間の2倍以上の時間(すなわち4時間以上)をあてる必要がある。 
課題・定期試験に対するフィードバック
課題(定期試験やレポート等)については、講評、解説等をまとめたペーパーを、追・再試験終了後に研究室前に設置する(WebClassを利用する場合もある)。 
履修上の留意
本年度は指定テキストに沿って展開していく予定である。参考文献について講義中に指示することがある。
なお、授業連絡、資料配布、課題提出等については、WebClassを使用する可能性も有るので、注意してほしい。 
授業の概要と目的
本講義では、主として1990年代以降現在までのアメリカ経済を取り上げる。具体的には、冷戦後にアメリカ経済が復活し、「唯一の超大国」が出現したこの間の展開を踏まえつつ、2008年以降の世界的金融危機と国際秩序の多極化、さらにオバマ政権の経済政策などについて言及していきたい。なお、オバマ政権は連邦議会との対立を深め、その政権運営上の障害は大きかった。このような苦境の背景には、どのような政治経済的要因があるのだろうか。本講義ではこの点にも注目したい。また2017年に成立したトランプ政権、さらに2021年に成立したバイデン政権の経済政策についてもとりあげたい。以上を通して、資本主義経済が抱える光と影の理解を目指す。 
アクティブ・ラーニング
特になし 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
本授業はCP2およびDP2に該当する。 
実務経験と授業内容の関係
バブル経済崩壊後の財政出動による景気対策としても位置づけられた、農林水産省ウルグアイ・ラウンド関連対策業務時の政策提言等の実務経験を活かす。ニューディール型財政政策の日本における類例として紹介する。 
科目ナンバリングコード
BI21106、経済EE21422、産社EI21422 
サブタイトル
「自由の国」アメリカにおける連邦政府の位置 
到達目標
アメリカ経済の現状を、政治経済学的に理解できる。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. ガイダンス  アメリカ経済論をなぜ学ぶのか概説する。また、講義の全体計画と、受講にあたり特に注意して聞くべき点を明示する。 
2. 国内経済情勢――アメリカ経済は復活したのか  ●1990年代以降のアメリカ経済の特徴 ●「ニューエコノミー」と「ITバブル」:1990年代 ●住宅バブルの形成:2000~2006年 ●金融危機から新型コロナショックへ 
3. 対外経済関係――経常収支赤字の持続と通商政策のゆくえ  ●アメリカの国際収支 ●対外経済政策とは何か ●ポスト冷戦期の対外経済政策 
4. 産業構造の変化――続く産業構造高度化、加速する雇用と地域の分極化  ●産業大国アメリカの変貌(製造業の衰退と経常収支の赤字化) ●製造業大国からサービス業大国へ(1980年代) ●IT投資による復活と新産業の創出(1990年代) ●企業のグローバル展開の加速と国内産業の停滞(2000年代) ●イノベーション・富裕層依存の産業構造高度化とその問題点(2010年代) 
5. 雇用構造の変化――経済の再編と格差社会  ●所得格差の実態 ●株式市場における富の創出 ●「中産階級」の崩壊 ●クリエイティブ・クラスと社会の分断 
6. 政治システム――分断されたアメリカの構図  ●アメリカ政治システムの特徴(大統領制と連邦議会) ●政策形成プロセス ●保守とリベラルの政策対立の構図 ●ポピュリズムの台頭と分極政治 ●分断されたアメリカのゆくえ(バイデン政権の課題) 
7. 財政政策――巨額の財政赤字をどうするのか  ●アメリカ連邦財政の歴史的推移と基本構造 ●予算編成過程とその特質 ●財政改革をめぐる保守とリベラルの対立 ●新型コロナ対策と「大きな政府」への転換? ●財政赤字の持続可能性 
8. 医療保障政策――”オバマケア”による変化と限界  ●アメリカが抱える医療保障をめぐる二大問題 ●医療保障改革(オバマケア)の主な内容 ●医療保障改革(オバマケア)の意義と限界 ●アメリカ医療保障のゆくえ 
9. エネルギー政策――エネルギー自立から気候変動対策へ  ●エネルギーと環境をめぐる歩み ●オバマ民主党政権期(2009-2017年) ●トランプ共和党政権期(2017-2021年) ●バイデン民主党政権の始動(2021年-) 
10. 金融政策――伝統的金融政策のゆらぎ  ●金融制度の確立 ●金融政策の展開と金融自由化 ●「ニューエコノミー」下の金融政策とプルーデンス政策 ●金融危機と金融政策のゆくえ 
11. 移民政策――移民労働力の重要性と深まる党派対立  ●アメリカにおける移民政策の歴史 ●アメリカ経済にとっての移民労働力 ●移民政策をめぐる対立構図とその変化 ●トランプ政権の移民政策 
12. 1930-1940年代のアメリカ経済(1)1929年大恐慌からニューディール政策へ  ●発展する1920年代、●1929年大恐慌とそのインパクト、●1932年大統領選挙(フーバー対ルーズベルト)にみる両候補の景気対策、●ニューディール政策の開始、●連邦政府による経済への介入強化、●国内経済優先のなかで(通貨安定の軽視と世界経済会議の破たん)、●1930年代後半におけるケインズ型財政政策の本格採用、 
13. 1930-1940年代のアメリカ経済(2)ニューディール期の財政政策とその結果  ●政府支出の膨張、●租税構造の変化、●アメリカ国債の大量発行●ルーズベルトの景気回復構想に見る購買力問題、●購買力創出のための所得再分配政策の推進(税制改革)、●所得上位層貯蓄の有効需要への転化、●不十分な財政支出と失業率の高止まり、●ナチスの「成功」とニューディールの「失敗」、 
14. 1930-1940年代のアメリカ経済(3)第二次大戦期の経済とパックスアメリカーナの形成  ●第二次大戦の経過概要、●1939年のヨーロッパでの開戦とアメリカの再軍備、●産業動員体制の成立、●戦時経済成長、●失業率1%台(完全雇用時代の到来)、●豊富な資源と生産力の拡大(連合国の兵器庫として)、●イギリスへの軍需物資支援とその果実、●戦後のイギリス・ポンド圏解体とドル体制の確立、●労使関係の変遷(ニューディール期・戦時期・戦後期) 
15. まとめ  これまでの講義全体のなかから、とくに重要な点を取り上げて、まとめとします。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 現代アメリカ政治経済入門(2021)  河﨑, 河音, 藤木 (編)  ミネルヴァ書房 
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. アメリカ政治経済論(2012)  藤木剛康編  ミネルヴァ書房 
2. 現代アメリカ経済(2003)  河村哲二  有斐閣 
3. 現代アメリカ経済論:新しい独占の広がり(2023)  大橋陽・中本悟 編  日本評論社 
4. オバマ政権の経済政策(2016)  河音琢郎・藤木剛康 編著  ミネルヴァ書房 
5. 現代アメリカ経済史(2017)  谷口明丈・須藤功 編  有斐閣 
授業方法の形式
講義 
授業の実施方法
対面授業 
成績評価方法
定期試験(100%) 
成績評価基準
C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。 
受講生へのメッセージ
現代の世界経済を理解する場合,その影響力の大きさから見てアメリカ経済の動向を無視することはできない.わが国経済の動向も,アメリカ経済の動向が直接・間接に反映された結果と言えよう.身近な経済現象がアメリカ経済の動向といかなる関連性をもつのか,考えながら受講してもらいたい. 
参考URL
画像
ファイル
更新日時 2024/02/06 10:33


PAGE TOP