シラバス参照

科目名 エネルギー・流体工学特別演習・実験2B 
科目名(英字) Advanced Seminar and Experiments in Energy and Fluid Engineering ⅡB 
担当者氏名

大藏 信之

対象研究科・専攻 理工学研究科交通機械工学専攻修士課程 
講義学期 後期 
単位数



準備学習・事後学習
準備学習として,授業内容に示す項目・内容に関係する文献・資料を熟読し予習しておくこと.事後学習として,各回の授業で説明した要点について十分に復習しておくこと.なお,課題レポートに対する解説・講評は,定期試験期間終了後,必要に応じて研究室で個別対応する.

毎回、演習・実験の半分の自学自習が求められます. 
授業の概要と目的
修士論文では、「層流-乱流遷移の解明と制御」を大きなテーマとして、境界層、伴流、渦輪の流れなど様々な流れの遷移現象について、実験および数値解析によって調査を行う。これに必要とされる流れの可視化技術、速度や圧力などの流体計測法、数値解析法、および、得られたデータの解析法について、その原理や特徴、使用方法などを関係論文の事例を参考に修得し、各自の修士論文の研究課題において実践に移す。

 本科目は、1・2年次に連続履修することで完結し、修士論文の充実のための知識や技術など、研究能力を修得する。なお、下記の授業内容は、取り上げる課題を示したもので、各自の研究の中心となる課題については、重点的に取り上げる。 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
本授業はCP3.4およびDP2に該当する。 
科目ナンバリングコード
GTT21102 
到達目標
修士論文に必要とされる流れの可視化法、流体計測法、数値解析法、データ解析法の原理や特徴を理解し、使用することが出来る。 
授業内容
番号 【項目欄】 【内容欄】
1. 安全管理  大型風洞装置、レーザー光発生装置、薬品などの安全管理について指導する。 
2. 流れの調査方法  流れを調査する手法として、1)流体計測、2)計測方法の応用、3)流れの可視化技術、4)流れの数値解析、5)データ解析・処理について、概論する。 
3. 流体計測(流速測定)  ピトー静圧管、多孔型ピトー管、熱線流速計など、定点型の速度計について、それぞれ、その原理、使用方法、応答性などの特徴について、解説する。また、PIVやPTVなど、多点同時測定が可能な、画像流速測定法について、その原理、使用機器、特徴などについて解説する。 
4. 流体計測(圧力測定)  圧力計として機械式で単純な、マノメータ型、ブルドン管型、ベローズ型のほか、ピエゾ型や静電容量型、半導体ダイヤフラム型など、電気式センサーについて、原理および特徴を解説する。 
5. 流体計測(流体力測定)  流体力の測定方法として、風洞天秤の原理や、校正方法、6分力間の干渉などについて解説する。 
6. 事例研究と測定の実践  上記の計測方法を使用した研究論文を題材に、その使用方法を学習する。さらに、各自の研究テーマにおいて、上記の流体計測法の中から適切な方法を選択し、実践に移す。 
7. 流体計測の応用についての事例研究とその実践  速度と圧力などの異なる測定方法の組み合わせや、流れの現象に同期させた条件付き測定の方法について解説する。また、そのような特殊な計測方法を用いた研究論文を題材に、その使用方法を学習する。さらに、各自の研究テーマにおいて、応用的な計測方法を検討し、実践する。 
8. 流れの可視化技術(1)  流れの可視化技術について、タフト法(表面タフト法、タフトグリッド法)および壁面トレース法(油膜法、油点法、薬品塗膜溶解法、昇華法)、懸濁法、表面浮遊法について、原理・特徴・使用方法を解説する。 
9. 流れの可視化技術(2)  流れの可視化技術について、直接注入法(注入流脈法、注入流跡法、タイムライン法)および、化学反応法(直接反応法、電解発色法)、電気制御トレーサー法(水素気泡法、スモークワイヤ法)について、原理・特徴・使用方法を解説する。 
10. 流れの可視化の事例研究とその実践  流れの可視化ハンドブックや研究論文などを題材に、その使用方法を学習する。さらに、自の研究テーマにおいて、上記の可視化方法から適切な方法を検討し、実践する。 
11. 流れの数値解析  流れの数値解析法として、差分法について、概説する。先ず、流れを記述する基礎方程式(NS方程式,連続の式等)について学習(復習)した後、基礎方程式の離散化(差分化)の方法と種類について学習する。次に、解析モデル(供試物体)に適切な解析格子および境界条件について検討する。また、流れの状態(層流,乱流)について検討し、乱流の場合、乱流モデルの検討を行う。 
12. 数値解析の事例研究とその実践  数値解析法を用いた研究論文を題材に、適切な解析方法について学習する。各自の研究テーマにおいて、汎用解析ソフトを用いて流れの数値解析を行い、実験結果と比較するなどして、解析結果の評価と、流れの現象の解釈を行う。 
13. データ解析・処理(1)  流体計測や流れの数値解析で得られたデータ(定量的結果)に対して、平均化処理(加算平均、移動平均)、RMSの算出、周波数解析、自己相関・相互相関係数の算出、最小2乗法による実験式の算出などのデータ解析・処理方法を解説する。。 
14. データ解析・処理(2)  流れの可視化技術で得られた流線、流跡、流脈などの流れ模様(定性的結果)から、流れの状態を解釈する方法や、その画像データの処理方法などについて解説する。 
15. 総合実践  以上の実験法および数値解析法を単独あるいは組み合わせて使用することで、各々の研究テーマの遂行に当たる。 
授業方法の形式
講義および実験を併用 
授業の実施方法
対面授業 
成績評価方法
レポート(100%)により100点満点で評価し、60点以上を合格とする。 
成績評価基準
C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。 
その他(履修条件・関連科目など)
流体科学特論Ⅰ・Ⅱ、エネルギー・流体工学特別演習・実験2A 
テキスト
番号 【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 使用しない。     
参考資料文献等
番号 【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 流体力学  日野幹雄  朝倉書店 
2. 流れの可視化ハンドブック  流れの可視化学会編集  朝倉書店 
3. PIVハンドブック  可視化情報学会編  森北書店 
4. 乱流の数値シミュレーション  梶島岳夫  養賢堂 
参考URL
画像
ファイル
更新日付 2024/01/26 13:15


PAGE TOP