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科目名 道徳教育論 
担当者氏名

宮嶋 秀光

全開講対象学科 人間学部人間学科
年次 2年次 
クラス  
講義学期 前期 
単位数
必選区分 選択科目 
学期・曜日・時限  
部門 専門教育部門-社会・教育系 
備考  



準備学習・事後学習
 この授業では、最初の授業時に授業で使う資料をまとめて配布します。各回の授業で検討する資料をそのつど予告しますので、事前に自分なりの検討をしておくようにしてください。授業後は、主要な論点だけをノートの末尾に整理し、必要に応じて言及された文献の内容も確認しておいてください。毎回、授業時間の2倍の自学自習をしてください。授業を通じて5回ほど基礎事項に関する理解を確認するチェックペーパーを授業の最後に配布しますが、それについては次の授業で解説します。定期試験に関しては、全体的な講評・解説を、追・再試実施後に研究室前に掲示する予定です。 
課題・定期試験に対するフィードバック
履修上の留意
「教育学概論」等の基礎科目の聴講を前提にした説明がけっこうありますから、できるだけ1年次の教育学関係の科目の履修を終了した上で聴講してください。 
授業の概要と目的
本科目はCP2およびDP2、DP3に位置する。本講義では、まず道徳教育を学校教育の全体の任務としてとらえる立場を前提にしつつ、道徳教育のあり方に関するさまざまな立場を概観し、それを通じて道徳教育に対する月並みな思い込みを解消するとともに、各人の道徳教育に関する基本的な考え方を練り上げることを第一の目的とします。その上で、日本における実際の道徳教育の歴史を理解するとともに、最後に、現行の道徳教育の取り組み、特に「道徳の時間」やその継承として新設された「道徳科」の基本的な性格や意味についても検討し、これらからの道徳教育やあり方や基本方針を構想できる力量を身につけることを第二の目的とします。(科目ナンバリングコード:HH21208) 
該当するCP(カリキュラム・ポリシー)およびDP(ディプロマ・ポリシー)
実務経験と授業内容の関係
科目ナンバリングコード
サブタイトル
道徳教育の基本理念と道徳教育の現状と課題 
到達目標
 道徳教育の歴史について理解することができる。また義務教育学校における道徳教育の取り組みの現状を理解し、今後の道徳教育の課題や新たに求められているあり方について説明することができる。 
授業計画
【項目欄】 【内容欄】
1. 公教育における道徳教育  公教育における道徳教育に対して否定的ないし懐疑的な立場を紹介し、その過程で道徳教育に対する月並みな思い込みを解消することをめざす。その上で、この授業の意図と進め方を解説する。 
2. 道徳教育の課題:異なった立場の 概観  道徳教育の課題ないし目的に関しては、実はさまざまな立場がある。それらを大きく三つの立場にまとめ、それぞれの基本特徴を指摘する。その際、道徳教育を論ずる前提となる「価値」、「価値判断」、「規範」、「当為」などの基本用語も説明する。 
3. 社会規範の内面化としての道徳性  道徳教育を社会規範の内面化ととらえる伝統的・常識的な立場を解説し、その重要性とともに、その問題点や限界も指摘する。また、この立場が現行学習指導要領にどのように反映しているのかも解説する。 
4. 自主的意志決定能力としての道徳性(1)―勝田守一の「自主性」の意味とその形成の条件―  前回の授業で取り上げた立場に対する批判として登場し、道徳教育の目的を個人の自主的な意志決定能力の形成と見る立場を主に勝田守一の論を手がかりにして検討する。 
5. 自主的意志決定能力としての道徳性(2)―自主的な判断能力としての「フロネーシス」―   前回に取り上げた勝田の論の不十分点を指摘し、古代哲学、特にアリストテレスの議論を参考にして、道徳性を自主的な意志決定能力とする立場を、より広い観点からとらえ直す。 
6. 発達という観点から見た道徳性(1)―ピアジェの道徳性の発達論―  発達心理学的な観点から道徳教育の課題を考えようとする立場を取り上げ、その基礎となったピアジェによる道徳性の発達理論の概要と特徴を解説する。 
7. 発達という観点から見た道徳性(2)―コールバーグ理論の特質―  発達心理学の観点から道徳教育を考える立場として、今日もっとも代表的なものであるコールバーグ理論の概要を、到達段階の判定テストを実際に体験しながら概説する。 
8. 発達という観点から見た道徳性(3)―コールバーグ理論に関する検討事項―  前回解説したコールバーグ理論に向けられた批判や疑問を取り上げて解説することを通じて、コールバーグ理論の今日的な意義や限界について検討する。 
9. 日本の道徳教育の歴史(1)―近代的な道徳教育の登場と「徳育論争」―  明治期初頭の近代教育制度の発足時における「徳育論争」の背景と経緯を概観することを通じて、戦前の道徳教育にとって最重要文書であった「教育勅語」が成立した経緯やその意味を解説する。 
10. 日本の道徳教育の歴史(2)―国定教科書制度と道徳教育の変遷―  「教育勅語」の成立以降、修身の教科書の変遷を手がかりにして、 それが教育界に貫徹していく過程を、社会背景も踏まえながら第二次大戦の終結まで跡づける。 
11. 日本の道徳教育の歴史(3)

―新教育の発足と道徳教育に関する試行錯誤の始まり― 
終戦後における教育改革の全容を簡単に押さえながら、その中で道徳教育に関する基本方針がどのように定まっていったのかを、教育刷新委員会の動向等を踏まえて解説する。 
12. 日本の道徳教育の歴(4) ―昭和20年代における社会科とガイダンスによる道徳教育の試み―  第二次世界大戦後に現れた新しい多様な道徳教育の試みのうち、社会科を中心とした道徳教育とガイダンスを通じた道徳教育の可能性が追求されていたことを振り返り、その意味とその後の変化について解説する。 
13. 日本の道徳教育の歴史(5)

―昭和20年代に試みられた生活綴方の復興と道徳教育の試み― 
戦後の道徳教育と深い関係のあった社会科やガイダンスの実践は、主に文部省が中心に進められたものであるが、これと平行して、民間の教育運動である生活綴方を通じた生活指導や道徳教育の可能性も追求されていたことを振り返り、その歴史的な意味やその後の変化についても解説する。 
14. 「道徳の時間」を中心とした道徳教育の60年  昭和33年度に導入された「道徳の時間」について、その特設の経緯や、それに関わる賛否の議論を回顧して、その意義を再検討するとともに、その後の道徳教育の実情を振り返る。 
15. 「特別の教科 道徳」導入の経緯とその意味  、平成30年度から実施されている「道徳科」設置の経緯やその新しい考え方や方法に関して解説し、今後の日本における道徳教育の諸課題を説明する。 
テキスト
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 特になし     
参考文献
【書籍名】 【著者】 【出版社】
1. 道徳教育論  徳永正直 他  ナカニシヤ 
2. 中学校学習指導要領  文部科学省   
3. 中学校学習指導要領解説 特別の教科道徳  文部科学省   
授業方法の形式
講義 
成績評価方法
定期試験(80%)と、授業期間の途中で実施する小レポート(20%)の合計で評価します。C(合格)となるためには、到達目標を最低限達成することが必要である。 
成績評価基準
受講生へのメッセージ
 道徳教育は、ふつう考えられているよりも、さまざまな諸問題と関連していますから、教育学はもとより、哲学や歴史、心理学や社会学などの問題にも取り組むことになります。道徳教育という視点から、これらの分野の問題を考え直すことも、この授業の狙いともなっていますので、そうした視点ももちながら聴講していただければと思います。 
参考URL
画像
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更新日時 2021/01/30 14:38


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